Discord(ディスコード)のGo Live機能を使ってゲームやYouTube動画、作業画面を画面共有した際、「映像は映っているのに相手にゲーム音や動画の音声が届かない」「自分には聞こえているのに通話相手だけ無音になっている」というトラブルは非常に多く発生します。
結論から言うと、Discordの画面共有で音が出ない主な原因は「画面全体(Screens)で共有している」「音声共有トグルがオフになっている」「ゲームとDiscordの管理者権限の不一致」「ブラウザ版Discordの仕様制限」の4つに大別されます。
本記事では、Windows・Mac・ブラウザ版・スマホ(iPhone/Android)別に、相手に音が聞こえない原因の切り分けと具体的な解決手順をわかりやすく解説します。
目次
【まず確認】Discord画面共有で音が出ない時のクイック診断表
まずは以下のチェックリストで、ご自身の環境と症状に該当する対処法を確認してください。
| 発生している症状・環境 | 考えられる主な原因 | 最初に行うべき対処法 |
|---|---|---|
| ゲームや動画の音だけ相手に届かない | 「画面全体(Screen)」で共有している | 画面共有を停止し、「アプリケーション(個別ウィンドウ)」を選んで再共有する |
| 画面共有開始時から音が全く出ない | 画面共有ポップアップの「音声」が無効 | 共有設定画面で「音声(Sound)」トグルをオンにする |
| 特定のゲーム(FPS等)だけ無音になる | ゲームが管理者権限で起動している | Discordを一度完全終了し、「管理者として実行」で起動し直す |
| ChromeやEdge等のブラウザで共有している | ブラウザ版Discordの仕様制限 | Discord公式デスクトップアプリ版をインストールして使用する |
| Macで画面共有すると音が出ない | 音声キャプチャドライバの未許可・未導入 | Discordの音声キャプチャ拡張機能(ACE)をインストールし権限を許可する |
| スマホ(iPhone/Android)で共有している | OSのセキュリティ制限・アプリ非対応 | アプリ側の内部音声共有対応状況を確認し、マイク入力を確認する |
| NetflixやAmazonプライム等が真っ暗・無音 | DRM(著作権保護機能)による制限 | 配信サービスの仕様。ブラウザのハードウェアアクセラレーション設定を確認 |
| 特定のフレンド1人だけ「聞こえない」と言う | 受信側(相手)の音量設定・ミュート | 相手側に配信画面右クリックで音量スライダー(音量バー)を確認してもらう |
原因1:画面全体(Screens)ではなく「アプリケーション」で共有していない
Discordの画面共有で音が出ない原因として最も多いのが「画面全体(Screens)」を選択して共有しているケースです。
なぜ「画面全体共有」だと音が出ないのか?
Discordの仕様上、画面全体(デスクトップ全体)を共有する場合、OS側の制約やセキュリティ保護により、各アプリケーションの内部音声を自動抽出してストリーミングに載せることができません(映像のみが配信され、音声はマイク音以外ミュート状態になります)。
ゲーム音やYouTubeの音声を相手に聞かせたい場合は、デスクトップ全体ではなく該当するゲームやブラウザの「ウィンドウ(アプリケーション)」を個別に選択して共有する必要があります。
アプリケーション個別共有の正しい手順
- Discordのボイスチャンネルに参加し、画面左下の「画面(画面を共有する)」アイコンをクリックします。
- 画面共有メニューの上部にあるタブで、「画面」ではなく「アプリケーション(Applications)」をクリックします。
- 音声を共有したいゲームタイトルやブラウザ(Chromeなど)のウィンドウを選択します。
- 解像度・フレームレートを確認し、「Go Live」をクリックして配信を開始します。
※一般的なPCやスマートフォンの画面録画で音声が入らないトラブル全般については、以下の記事もあわせて参考にしてください。
画面録画で音声が入らない原因と対処法|Windows・Mac・iPhone・Android別に解説
原因2:画面共有時の「音声共有」トグルがオフになっている
画面共有を開始する際の設定、または配信中のコントロールパネルで音声共有が無効化されているケースです。
共有開始画面と配信中の確認ポイント
- 共有開始時:「Go Live」ボタンを押す直前のポップアップ画面下部に、「音声(Sound)」のトグルスイッチがあります。これがオフ(グレー)になっている場合はクリックしてオン(緑色または青色)に切り替えてください。
- 配信中:ボイスチャンネル接続パネル(画面左下)にある配信枠の上にマウスカーソルを合わせ、スピーカーアイコンに斜線が入っていないかを確認します。斜線が入っている場合はクリックしてミュートを解除してください。
原因3:ゲームが管理者権限で起動している(Discordの権限不足)
Valorant、Apex Legends、原神、SteamやEpic Gamesで起動するPCゲームの多くは、チート対策(アンチチートプログラム)やOS制御のために「管理者権限」で自動起動されます。
管理者権限の不一致によるオーディオフック失敗
ゲームが管理者権限で動いているのに対し、Discordが通常のユーザー権限で動作していると、Windowsのセキュリティ機構(UAC)によりDiscordがゲームプロセスの音声データ(オーディオストリーム)をフック(取得)できなくなります。その結果、映像は共有できても音声だけが完全に遮断されます。
対処法:Discordを「管理者として実行」する手順
- 画面右下のタスクトレイ(上矢印アイコン)を開き、Discordアイコンを右クリックして「Quit Discord(Discordを終了)」を選択し、完全に終了させます。
- デスクトップにあるDiscordのショートカットアイコン、またはスタートメニューのDiscordを右クリックします。
- 「管理者として実行」をクリックしてDiscordを起動します。
- 再度ボイスチャンネルで画面共有を行い、相手に音声が届くか確認します。
【常に管理者として実行する設定】:
Discordのショートカットを右クリック →「プロパティ」→「互換性」タブ →「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れて「適用」をクリックすると、次回以降も自動的に管理者権限で起動します。
原因4:Discordの音声・ビデオ設定の不具合と解決策
Discord内部のオーディオドライバ処理や設定ファイルの一時的な不具合によって音声共有が正しく処理されないことがあります。以下の3つの設定を見直してください。
1. オーディオサブシステム(Audio Subsystem)を変更する
Discordが音声を処理する内部エンジン(サブシステム)を切り替えることで、音声キャプチャの不具合が解消するケースが多々あります。
- Discord左下の歯車マーク「ユーザー設定」をクリックします。
- 左メニューの「アプリの設定」から「音声・ビデオ」を選択します。
- ページを下にスクロールし、「オーディオサブシステム(Audio Subsystem)」の項目を探します。
- プルダウンメニューを「Standard(標準)」から「Legacy(レガシー)」または「Experimental(実験的)」に変更します。
- 確認ダイアログが表示されたら「OK」を押してDiscordを再起動します。
2. 最新の画面キャプチャテクノロジーのオン/オフを切り替える
「音声・ビデオ」設定内にある「最新のテクノロジーを使用して画面をキャプチャする(Use our latest technology to capture screens)」および「音声共有に最新のテクノロジーを使用する」のトグルを一度オフにし、改善するか確認してください(すでにオフの場合はオンに切り替えます)。グラフィックボードやサウンドカードの相性問題を回避できます。
3. 音声設定をリセットする
設定の変更を重ねて原因が分からなくなった場合は、「音声・ビデオ」ページの一番下にある赤文字の「音声設定をリセット(Reset Voice Settings)」をクリックし、初期状態に戻してから再設定を行ってください。
原因5:ゲームが「登録済みゲーム」として認識されていない
Discordが起動中のゲームを正常なゲームプロセスとして自動検出できていない場合、画面共有時に音声フックが正常に機能しないことがあります。
ゲームを手動で登録する手順
- 音声を流したいゲームを起動した状態にします。
- Discordの「ユーザー設定」→「登録済みゲーム(活動履歴 / Activity Status)」を開きます。
- 「プレイ中のゲームが見つかりません」と表示されている場合は、その下の「追加する!(Add it!)」をクリックします。
- ドロップダウンから起動中のゲームを選択し、「ゲームを追加」をクリックします。
- 追加後、ゲームウィンドウに戻ってから再度Discordで画面共有を試します。
原因6:ブラウザ版Discordを利用している場合の制限
Google Chrome、Microsoft Edge、Safariなどのウェブブラウザ上でDiscordを開いている場合、ブラウザのセキュリティサンドボックス(隔離環境)の影響で画面共有の音声機能に強い制約がかかります。
ブラウザ版で音声を共有する条件
- Chromeタブの共有:ChromeブラウザでYouTubeなどを共有する場合、画面共有メニューで「Chromeタブ」を選び、左下の「タブの音声を共有」にチェックを入れる必要があります。
- 他のデスクトップアプリの音声共有:ブラウザ版DiscordからPC内の別アプリ(ゲームやメディアプレイヤー)の音声を共有することは、ブラウザの仕様上基本的にできません。
画面共有を頻繁に行う場合は、必ずDiscord公式サイトからWindows版 / Mac版のデスクトップアプリをダウンロードしてインストールしてください。
【OS別】Mac / iPhone / Androidで音が出ない場合の対処法
パソコンのWindows以外の環境(Mac、スマートフォン)では、各OS独自のプライバシー保護仕様により特別な設定が必要です。
Mac(macOS)で音が出ない場合
Mac版Discordでアプリケーションの音声を共有するには、専用の音声キャプチャドライバ(ACE / Audio Capture Engine)の導入と権限許可が必須です。
- Discordで画面共有を開始しようとした際に「音声を共有するには追加のインストーラが必要です」等のメッセージが表示されたら、指示に従ってドライバをインストールします。
- Macの「システム設定(システム環境設定)」→「プライバシーとセキュリティ」を開きます。
- 「画面収録とシステムオーディオ録音」および「アクセシビリティ」「マイク」の各項目で、Discordにチェック(許可)が入っていることを確認します。
iPhone / iPad(iOS)で音が出ない場合
- コントロールセンターの確認:画面収録共有の開始時に「マイク」がオフになっていると通話相手に声も届きません。
- サイレントスイッチ(マナーモード):本体側面の消音スイッチがオンになっていると、一部アプリの内部音声が共有ストリームに載らない場合があります。
- iOSの仕様制限:iOSではAppleのセキュリティ規約により、画面全体共有中に内部音声を共有できるアプリが制限されています。
Androidで音が出ない場合
- Android OSのバージョン:内部音声の画面共有機能(AudioPlaybackCapture API)はAndroid 10以降でのみサポートされています。Android 9以前の端末では仕様上内部音声は共有できません。
- アプリ側の共有許可:Androidアプリの開発元が内部音声のキャプチャを明示的に禁止(オプトアウト)しているアプリ(著作権保護コンテンツや一部金融・決済アプリ等)は音が出ません。
著作権保護(DRM)コンテンツで音・映像が出ない時の注意点
Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、U-NEXT、Huluなどの動画配信サービスを画面共有した際、「画面が真っ暗(ブラックアウト)になる」「映像は映るが音が出ない」という現象が発生します。
Widevine DRMによる保護仕様
これは不具合ではなく、動画配信サービスに組み込まれているDRM(デジタル著作権管理 / Widevine)による複製・再配信防止の正常な動作です。
ブラウザの「ハードウェアアクセラレーションを無効化する」ことで一時的にキャプチャ可能になるケースがありますが、動画配信サービスの利用規約(第三者への公衆送信・同時視聴の禁止条項)に抵触する恐れがあるため注意してください。友人同士で同時視聴を行いたい場合は、各配信サービスの公式グループウォッチ機能(Watch Party等)を利用するのが安全です。
通話相手(受信側)の設定が原因の場合のチェックポイント
配信者側の設定がすべて正常であっても、視聴している相手側のDiscord設定が原因で音が聞こえていないケースも珍しくありません。
相手側に確認してもらう3つの項目
- 配信音量の確認:相手側に配信画面を右クリックしてもらい、「音量」スライダーが0%や極端に小さくなっていないか(ミュートになっていないか)を確認してもらいます。
- 出力デバイスの確認:相手の「ユーザー設定」→「音声・ビデオ」で、「出力デバイス」が使用中のヘッドホンやスピーカーに正しく設定されているか確認します。
- Discordの更新・再起動:相手側のDiscordアプリが一時的な不具合を起こしている場合があるため、
Ctrl + R(MacはCmd + R)でDiscordをリロードしてもらいます。
関連する画面録画・キャプチャトラブルの解説
PCやゲーム機の録画・画面共有に関するその他のトラブルシューティングについては、以下の解説記事も参考にしてください。
まとめ:Discord画面共有の音声トラブル解決手順
Discordの画面共有(Go Live)で音が出ない時は、以下のステップに沿って順番に対処するのが最も効率的です。
- 共有方式の変更:「画面全体」ではなく「アプリケーション(個別ウィンドウ)」で共有する。
- 音声トグルの確認:配信設定画面および左下パネルで「音声(Sound)」が有効になっているか確認する。
- 管理者権限での起動:Discordを完全終了し、「管理者として実行」で起動し直す。
- アプリ版の利用:ブラウザ版ではなく公式デスクトップアプリ版を使用する。
- 音声設定の見直し:「オーディオサブシステム」をLegacyに変更するか、音声設定をリセットする。
- 相手側の音量確認:相手の画面で配信ストリーム音量がミュートになっていないか確認する。
ほとんどの音声トラブルは「ウィンドウ個別共有への変更」または「Discordの管理者権限での起動」で解決します。落ち着いて1つずつ設定を確認し、快適な画面共有・ゲーム通話環境を整えましょう。



