牛乳を温めると栄養は変わる?科学的観点から見る温め方と栄養価の関連性

by

in

牛乳は世界中の人々に愛されている飲み物であり、その高い栄養価や豊富なカルシウムなどが注目されています。

しかし、どうしても疑問に思うのは「牛乳を温めるとその栄養は変わるのか?」ということ。

これに答えるために、科学的観点から見た牛乳の温め方と栄養価の関連性について深掘りします。

牛乳を温める理由

牛乳を温める理由はいくつかあります。

まず、体温に近いお湯を飲むと体温調節を補助するため、風邪の予防や回復の補助になると考えられるからです。これは、ゆっくりと温められた牛乳が、粘膜を保護して風邪の原因となるウイルスや細菌から守る働きもあるためです。

次に、温めた牛乳は、そのまま飲むよりも消化が容易です。胃が弱い人やお年寄りにとって、温めたほうが吸収が良く、体に負担をかけにくいです。

また、温かい牛乳は睡眠を助けるとも言われています。

その理由は、牛乳に含まれるトリプトファンというアミノ酸です。このトリプトファンが脳内に取り込まれて心地良い眠りを誘うセロトニンや、深い眠りをもたらすメラトニンに変わるということが後述の研究結果でわかっています。

牛乳は適切な温度なら栄養は変わらない

そして疑問に思う「牛乳を温めるとその栄養は変わるのか」について考えてみましょう。

結論から言うと、牛乳を適切な温度で温めると、大きな栄養価の低下は見られません。しかし、それはあくまで適切な温度が条件です。

ほとんどの栄養素は、一定の温度以上で劣化や分解が進むとされています。

例えば、牛乳に含まれるビタミンB1は、100℃以上で加熱すると急速に減少すると言われています。また、ビタミンB2やビタミンCなども、高温や長時間の加熱に弱いとされています。

つまり、牛乳を沸騰するまで加熱すると、それらのビタミンが一部失われる可能性があります。

一方で、たんぱく質やミネラルなど、牛乳の主要な栄養素は、適度な温度で加熱してもほとんど変化しません。

例えば、牛乳の主成分であるタンパク質は、生産者が生乳を加工する際に行うパスチャライズ(加熱殺菌)でも分解されません。

では、何度まで温めればいいのか

適度な温度で牛乳を温めるとしたら、具体的には何度までとすべきなのでしょうか。一般的に、牛乳を飲むときの適正温度は40〜50℃と言われています。

この温度帯であれば、牛乳の美味しさを十分に感じることができ、なおかつビタミンなどの微量栄養素の損失を最小限に抑えることができます。

このため、牛乳を飲むときには、50℃前後で温めることをおすすめします。

まとめ

牛乳を温めるのは風邪予防や消化吸収の助け、睡眠の質向上など、様々な理由があります。

一方、牛乳を温めるとその栄養価がどう変わるかというと、適切な温度で温めた場合、大きな栄養価の低下はありません。

しかし、過度な加熱はビタミンなどの微量栄養素の損失を引き起こす可能性があるため、50℃前後で温めることがベストと言えます。

日々の生活の中で牛乳を上手に取り入れて、健やかな毎日を過ごしましょう。

投稿者


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA