目次
はじめに
Minecraft のクリエイティブモードは、無限の資源と時間の制限がないため、建築やデザインの自由度が非常に高いモードです。しかし、想像したものを瞬時に作り出すためには、単にブロックを置くだけでなく、コマンドを駆使することが不可欠です。
本記事では、初心者でもすぐに使える基本コマンドから、上級者向けの高度なテクニックまで、クリエイティブモードで使える「必殺技」的なコマンドを網羅的に解説します。チートコードを有効化した状態を前提とし、実際のゲーム内での入力例やコマンドブロックでの活用方法も併記します。最後に、コマンドを効率的に記憶・使いこなすためのチェックリストもご用意していますので、ぜひ参考にしてください。
クリエイティブモードで使える基本コマンド一覧
初心者にとって最初に覚えておきたいコマンドを「#1 ~ #9」に区切り、それぞれの意味と使用例を示します。
※ / はコマンド入力の前置き。コマンドブロックに挿入する場合は不要です。
| コマンド | 役割 | 例 |
|---|---|---|
/give @p <ブロック> <個数> |
アイテムを付与 | /give @p minecraft:diamond_block 64 |
/tp @p <x> <y> <z> |
プレイヤーを指定位置へ移動 | /tp @p 100 70 -50 |
/setblock <x> <y> <z> <ブロック> |
単一ブロックを設置 | /setblock 150 65 -20 minecraft:glowstone |
/fill <x1> <y1> <z1> <x2> <y2> <z2> <ブロック> |
ブロックを一括で設置 | /fill 0 70 0 10 70 10 minecraft:stone |
/weather clear |
天気を晴れに変更 | /weather clear |
/time set day |
時間を昼に変更 | /time set day |
/summon minecraft:creeper ~ ~1 ~ |
モブを召喚 | /summon minecraft:creeper ~ ~1 ~ |
/setworldspawn <x> <y> <z> |
ワールドのスポーン地点を設定 | /setworldspawn 0 64 0 |
/seed |
現地のシード値を表示 | /seed |
ポイント
@pは「最も近いプレイヤー」を指します。- 位置座標はワールド座標系。負数も使用可能。
- コマンドブロックを利用する場合は「コマンドブロックに入力 → 赤いペンで改行・エンコードしない」だけで動作します。
1. ブロック配置を加速するテクニック
1‑1. setblock と fill の使い分け
-
setblock- 単一ブロックだけを置く、または位置を特定したい時に使用。
- 例:
setblock 70 65 -30 minecraft:airで空気ブロックに消す。
-
fill- 大規模構造物の土台を作る、または壁を一括で塗り替える際に効果的。
- 例:
fill 0 60 0 20 60 20 minecraft:stoneで 20×20 の石の床を作る。 - 注意:
replaceサブコマンドを付けると既存のブロックを上書きしないようにできる。
1‑2. ブロックのプロパティを指定して置く
setblock や fill でブロックの状態を直接指定すると、パーティクルやレッドストーントラックの状態を維持できます。
# 例: ストーントラックを上にある状態で設置
/setblock 100 65 100 minecraft:stone_stairs[facing=north,half=bottom,shape=straight]
プロパティはブロック名のあとに中括弧 {} でリストし、 , で区切ります。
マイクラ 1.20+ では minecraft:stone_stairs が stone_stairs へ変更され、half が bottom か top、direction が north か east か south か west となります。古いバージョンとの互換性に注意してください。
2. 天候・時間を自在に操る
2‑1. 天候コマンド
-
weather clear:晴天 -
weather rain <tick数>:雨を降らせ続ける(例:weather rain 1200で 1分間) -
weather thunder <tick数>:雷雨
コツ
天候を変えると建築に影響が出る場合があります。雨で土が濡れると土壌のブロックがdirt→muddyに変わる事実があるので、試作はベンチマーク的に行いましょう。
2‑2. 時間をフルカスタム
-
time set day、time set night:昼夜の切り替え -
time set <tick>:具体的に時間を指定 (0=昼の正午,6000=昼の始まり) -
time add <tick>:現在の時間にフレームを加える
注意点
時間を極端に早く進めると、時間更新ごとにシーンのリフレッシュが行われ、プレイヤーやマーチのパフォーマンスが軽減するケースがあります。特に大規模なマップを作る際には、時間を固定するか、少量に抑えるよう心がけましょう。
3. プレイヤーの管理とワールドメタ操作
3‑1. プレイヤーをスピンさせる
-
tp @p <x> <y> ~で移動 -
tp @p ~ ~ ~で現在位置をリセット
例:プレイヤーを現在位置の上1ブロックへ瞬間的に移動
/tp @p ~ ~1 ~
3‑2. スポーン地点の管理
-
setworldspawn <x> <y> <z>:現在のワールドのスポーン位置設定 -
getworldspawn:スポーン位置を確認
利用シナリオ
建築プロジェクトの開始テスト時に、プロジェクトベースの座標系でスポーンポイントを定義し、テストプレイを簡易化できます。
3‑3. プレイヤー情報を取得
-
scoreboard players list @p -
scoreboard objectives add <name> dummy <displayname>:スコアボードを作成 -
scoreboard players set @p <objective> <value>:スコアを設定
例: プレイヤーの「レベル」をカスタムスコアに変換する
/scoreboard objectives add playerLevel dummy /scoreboard players set @p playerLevel 10
4. コマンドブロックを使ったオートメーション
4‑1. コマンドブロックの構成
| コマンドブロックの種類 | 用途 |
|---|---|
| チェーン (Chain) | 前のブロックが成功したときに実行。連続処理に最適。 |
| リピーター (Repeat) | 常に更新し続ける。タイミング制御が必要なループ。 |
| 単発 (Impulse) | 1フレームで1度実行。ボタンやスピーザーで起動。 |
4‑2. 連続実行での壁生成例
- ボタンを押すとチェーンが順に動き、特定位置にブロックを連続で設置。
- コマンドは 3 桁以下に抑えるため
/fillで大きなパーツを作り、チェーンで細部を描く。
Button (Impulse) >
/setblock x1 y1 z1 minecraft:stone 0 0 replace
/tp @p ~ ~ ~
Chain (Chain) 1 >
/setblock x2 y2 z2 minecraft:stone 0 0 replace
Chain (Chain) 2 >
/setblock x3 y3 z3 minecraft:stone 0 0 replace
...
4‑3. タイムバーの制御
time set とリピーターを併用して、特定時間ごとにイベントを発生させる。
# 例: 100 tick ごとにダイヤのブロックを設置
# Impulse: 100 tick のタイマーをセット
/tickingarea add 0 0 0 20 20 20
注意
tickingareaは1.18以降で導入された機能。範囲外にコマンドブロックを配置すると処理速度が落ちることがあります。
5. より高度なコマンド活用
5‑1. ブロックの NBT データを付与
/setblock でブロックの NBT データを設定すると、カスタムアイテムや特殊ブロックを生成できます。
/setblock 80 65 -80 minecraft:chest{LootTable:"minecraft:chests/simple_dungeon"} replace
-
LootTableでランダムドロップを設定 -
CustomNameで名前を付ける -
BlockEntityTag内にItems配列を入れてインベントリを設定
5‑2. バイナリ操作で複数パスに設定
/execute を使うと、条件付きで複数のコマンドを一行で書くことが可能。
例: プレイヤーの近くに glass を立方体で置く。
/execute as @p at @s run fill ~-5 ~-5 ~-5 ~5 ~5 ~5 minecraft:glass
-
as @pでプレイヤーの権限で実行 -
at @sでプレイヤーの位置を基準に -
runで実際のコマンドを実行
5‑3. 自動化したワールドのリセット
/execute as @a run data merge block ~ ~-1 ~ {Uninitialized:1b}
上記は「自動リセット用のトリガー」に使える一例。
-
data merge blockでブロック属性を変更 -
Uninitializedフラグを立てることで、何らかのリセットイベントを作り出せる
アドバイス
大規模なカスタムマップでは、リセットや再生成のスクリプトを作る前に バックアップ を取ることが必須です。ワールドは/save-allで保存してから実行するようにしましょう。
6. コマンドでエフェクトを演出
6‑1. エフェクトコマンド
/effect give @p minecraft:levitation 10 2 true
-
@p:最も近いプレイヤーへ -
minecraft:levitation:エフェクト - 第3引数 10秒
- 第4引数 効果強度
- 第5引数 チラつき無し
6‑2. ポン・ポン機能
プレイヤーをジャンプさせる簡易コード。
/effect give @p minecraft:levitation 2 4 true
応用
コマンドブロックをチェーンで連続させ、/executeを組み合わせることで ダイナミックなアニメーション(例: モンスターが空中で回転しながら降下)を作り出せます。
7. コマンドを効率的に覚えるためのチェックリスト
| 項目 | 具体例 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 座標系 | ~ ~ ~(相対) vs x y z(絶対) |
遠隔操作やデバッグ時 |
| NBT データ | {CustomName:"\"Title\""} |
ストーリーテリング |
| タイミング | /schedule |
時間制御(例えば 5 秒後にアイテムを召喚) |
| レッドストーン連動 | /execute if block ~-1 ~ ~ air run ... |
条件付き自動生成 |
| スコアボード | /scoreboard objectives add buildCount dummy "建築カウント" |
プロジェクト管理 |
8. よくある落とし穴と対策
| 問題 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| コマンドが反応しない | cheats 未有効化 |
ゲーム設定 → プレイ > チート を有効 |
大規模な /fill でクラッシュ |
処理範囲が大きすぎる | 1回に 32768 ブロックまでに収める |
| エフェクトが途切れる | デフォルトのタスクが停止 | repeat コマンドブロックを使う |
| 座標がずれる | 相対座標の計算ミス | execute as @p でプレイヤー単位にしてから相対指定 |
9. コマンドを学ぶための学習リソース
-
Minecraft Wiki
- 公式ドキュメント。最新バージョン情報を最も確実に取得。
-
Minecraft Commands Cheat Sheet
- 速く使えるコピー&ペースト用シート。
-
YouTube クリエイティブコマンド集
- 実際にゲーム内で再現しやすい例を多数集成。
-
Reddit r/MinecraftCommands
- コマンドのパワーを最大化するコツが日々投稿。
10. まとめ
クリエイティブモードは「材料が無尽蔵」と語られますが、それだけでなく「思考の自由」を最大限に広げるために コマンド は欠かせません。本文で紹介したコマンドは、単に建築を速くするだけでなく、エフェクト や 自動化、さらには ゲーム性 の設計にまで応用できます。実際に試しながら、各コマンドの仕様や結果を確認し、独自に組み合わせることで、独創的なマップを作る力が養われます。
さあ、手元のパソコンやクライアントを手に取り、上記のコマンドを使って次の大作を生み出してみてください。初めての /execute で驚きの連続生成に挑戦したり、/scoreboard を使いプロジェクトコントロールを行ったり、あなたのクリエイティブ力をフルに発揮してくれるはずです。
Happy Building! 🎉🏗️