まずはマイクラサーバーを立てることに対して不安を抱いている方へ。
サーバーを自分で運営すれば、好きな世界を好きな仲間と共有できるほか、設定を自由にカスタマイズできる魅力があります。
この記事では「初心者」でも1日以内に動くサーバーを作り、日常的に管理できるまでの流れを、設置から運用まで順序立てて解説します。
必要なハードウェアやソフトウェア、設定ファイルの内容、セキュリティ対策、日々の維持管理まで、疑問が湧きやすいポイントを網羅していきます。
それでは早速、サーバーを起動させてみましょう!
目次
必要なもの: ハードウェアとソフトウェアを確認
| 項目 | 内容 | 推奨スペック |
|---|---|---|
| マイクラJava版 | ゲーム本体 | 1.8〜1.20 どのバージョンでもOK |
| サーバーOS | Windows 10/11, Linux(Ubuntu, Debian) | Windows: 4GB RAM, 2 CPUコア Linux: 2GB RAM, 1 CPUコア |
| JRE(Java Runtime Environment) | サーバー動作に必須 | Java 17以降をインストール |
| インターネット接続 | 公開IPまたはDDNS | 速いアップロード(最低10Mbps) |
| ネットワーク機器 | ルーター, 交換機 | ルーターはポートフォワーディングが設定可能 |
| その他 | 文字列暗号化ライブラリ, バックアップツール | 追加オプション |
ポイント
- Javaのバージョンは「Mojangがサポートするもの」を選び、サーバーとクライアントで同じか互換性のあるものを使用してください。
- Linux環境は安定しており、CPUとメモリの使用率が低いです。Windowsの場合は管理者権限で作業を行います。
サーバータイプの選択
Minecraftサーバーは主に4種類あります。
| 種類 | 特徴 | 推奨目的 |
|---|---|---|
| Vanilla | 標準機能のみ | シンプルに遊びたい初心者 |
| Spigot/Paper | 高速化とプラグイン対応 | 便利な機能・プレイヤー管理が必要 |
| Forge | Modを導入したい | クリエイティブ・MODプレイ |
| Fabric | 軽量Modサポート | Modで軽量化したい場合 |
初心者はPaperを選ぶと、Vanillaの感覚を保ちながらサーバー管理やプラグイン追加がスムーズです。
ソフトウェアのダウンロード
-
Java JRE 17
- Oracle JDK, OpenJDK, Temurinが利用可。
-
java -versionでバージョンを確認。
-
Paperサーバー
- 公式サイト(https://papermc.io/downloads)で最新版を取得。
-
paper-*.jarファイルがサーバー本体です。
-
必要パッケージ(Linux)
-
sudo apt install default-jreでJavaをインストール。
-
Tip
Windowsでもcmdでjava -versionを実行し、正しくJavaが起動するか確認してください。
サーバーファイルの配置
- 任意のフォルダ(例:C:\MinecraftServer)を作成。
- ダウンロードした
paper-*.jarをそのフォルダにコピー。 -
start.bat(Windows)またはstart.sh(Linux)を作成し、以下の内容を書込みます。
Windows (start.bat)
@echo off
java -Xms2G -Xmx3G -jar paper-*.jar nogui
pause
Linux (start.sh)
#!/bin/bash
java -Xms1G -Xmx2G -jar paper-*.jar nogui
注意
-Xmsと-Xmxはメモリ割当です。サーバーのRAMに合わせて数字を調整してください。
大量のプレイヤーが入る場合は、さらにメモリを確保すると安定します。
初期設定(server.properties)
サーバースタート時に world フォルダや server.properties が自動生成されます。
server.properties はテキストエディタで開くと簡単に設定が可能です。
| 設定項目 | 目的 | 推奨値 |
|---|---|---|
online-mode |
プレイヤー認証 | true(安全) |
white-list |
ホワイトリスト機能 | false/true |
view-distance |
生成ビット数 | 10 |
max-players |
最大プレイ人数 | 20 |
difficulty |
難易度 | normal |
level-seed |
ワールド種子 | 空欄(ランダム) |
spawn-protection |
スポーン保護範囲 | 16 |
motd |
ステータス表示 | マイクラサーバーへようこそ! |
ポイント
online-mode=trueはアカウント認証を確認し、未認証ユーザーの侵入を防止します。white-list=trueに設定すると、ホワイトリストに登録したプレイヤーだけ接続できます。view-distanceはワールドロード距離。大きくするとサーバー負荷が増します。
ポートフォワーディング設定(ネットワーク)
- ルーターの管理画面にアクセス。
- ポートフォワーディング(Port Forwarding)設定へ移動。
- 新規設定を作成し、以下を入力。
-
ポート番号:
25565 -
プロトコル:
TCP - 内部IP: サーバーを実行しているPCの IP (例: 192.168.1.10)
-
ポート番号:
- 設定を保存しルーターを再起動。
確認方法
ブラウザでhttps://canyouseeme.org/を開き、25565を入力して「Check Port」で開放確認。
もし閉じている場合はファイアウォールでの許可設定を確認。
ファイアウォールとセキュリティ対策
Windowsファイアウォール
- コントロールパネル > システムとセキュリティ > Windows Defender ファイアウォール > 「詳細設定」。
-
受信規則 > 新しい規則 > ポートを選択し
25565を許可。
Linux-UFW
sudo ufw enable
sudo ufw allow 25565/tcp
さらに安全に
- サーバーに
Spigotパッケージのセキュリティプラグイン (Example: LiteProtect) を導入。worldフォルダ内にあるops.jsonやwhitelist.jsonは編集可能にしておき、管理者のみ変更できるように。
サーバー起動と確認
- 上記の
start.bat/start.shを実行。 - コマンドラインに
Done (XXs)! For help, type "help"が出れば正常起動。 - 自分のMinecraftクライアントから
localhostで接続してみて、ワールドがロードできるか確認。
ログ確認
logs/latest.logには起動メッセージやエラーが残ります。
エラーが出た場合はエラーメッセージをGoogle検索し、対処手順を確認してください。
クライアントで接続
- Minecraftを起動。
- 「ゲームの選択」> 「設定」> 「ネットワーク」> 「IP」の欄に以下を入力。
- ルーターを経由している場合はルーターのパブリックIP と
:25565を入力。 - 同一LAN内ならサーバーPCのローカルIP と
:25565。
- ルーターを経由している場合はルーターのパブリックIP と
- 接続テスト -> 成功すればサーバー立ち上げ完了。
注意
- 同期が必要な場合はゲーム内で
difficultyを設定。- ネットワークエラーならポート転送、ファイアウォール設定を再確認。
初心者必見!基本設定のおすすめ
| 推奨設定 | 意味 | 理由 |
|---|---|---|
max-tick-time=60000 |
タック時間の上限 | 過負荷時に自動クラッシュ防止 |
pvp=true |
プレイヤーバトル | フレンドリー対戦を可能に |
spawn-monsters=true |
モンスター生成 | ワールドの挑戦度UP |
flood-gui=true |
GUIの水流 | エフェクトが豊富 |
allow-flight=false |
飛行禁止 | サバイバルモードでのバランス維持 |
備考
これらの設定はserver.properties内でtrue/falseを切替えるだけですが、プレイ環境に合わせて試行錯誤するとより楽しいサーバーになります。
プラグイン/Mod導入方法
Spigot / Paperでのプラグイン導入
-
プラグインを入手
- 公式サイト (Bukkit、SpigotMC)・ CurseForge から
.jarを取得。
- 公式サイト (Bukkit、SpigotMC)・ CurseForge から
-
pluginsフォルダ内にプラグイン .jar をコピー。 - サーバーを再起動すると自動でロード。
ForgeでのMOD導入
-
modsフォルダを手動で作成。 - MODファイル(
.jar)をmodsフォルダに配置。 -
forgeバージョンに合わせてJavaを設定。 - サーバーを起動。
ポイント
- プラグインとMODはバージョンが合わないと動作しません。
- プラグインは
configフォルダで詳細設定できます。
バックアップとリストア
手動バックアップ
# Linux
mkdir -p ~/backup/mc
cd ~/backup/mc
tar -czf world_backup_$(date +%F).tar.gz ../world
自動化スクリプト
#!/bin/bash
cd /path/to/server
BACKUP_DIR=/path/to/backup
mkdir -p $BACKUP_DIR
tar -czf $BACKUP_DIR/world_$(date +%F_%H%M%S).tar.gz world
備考
- バックアップは定期的(例: 毎日)に実行するよう cron などでスケジュール化。
- バックアップは外部ストレージにコピーすることで災害時も安心。
監視とログ管理
- StatSync で CPU/メモリ使用率を可視化。
-
Logs は
/logsフォルダに保存。 -
Paperにはデフォルトで/logs/latest.logがあり、エラー検知に便利。
エラーログの監視
# Linux: syslogのリアルタイム監視
tail -f /path/to/server/logs/latest.log
推奨
- 1時間ごとに log をローテーションし、ストレージ容量を管理。
- 自動化されたメール通知設定も有効活用。
パフォーマンスチューニング
| 項目 | 設定 | 効果 |
|---|---|---|
max-players |
20 | 同時プレイヤー数制限 |
view-distance |
8 | 計算負荷軽減 |
spawn-protection |
32 | クリエイティブ攻撃防止 |
ticks-per |
20 | タスクの実行頻度 |
| Java GC | -XX:+UseG1GC |
GC 時間短縮 |
例:server.properties でのチューニング
max-players=8
view-distance=8
効果
視野距離を下げると描画負荷が減り、特に高解像度PCでの動作が安定します。
プレイヤー数を適切に制限すると、同時にサーバーにかかる負荷を把握できるようになります。
まとめと次のステップ
これまでのポイント
- 必要なハードウェア/ソフトウェアを整備
- Paperサーバーをダウンロードして配置
- ポート転送とファイアウォール設定を完了
-
基本設定を
server.propertiesで行い、サーバー起動 - クライアントから接続して動作確認
- プラグイン/MODを導入し、プレイ環境をカスタマイズ
- バックアップと監視を組み込むことで安定稼働
一歩先へ: コミュニティを育てる
- Discordサーバーを併設し、プレイヤー同士の緊密なコミュニケーションを促進。
- イベント企画や チーム戦 を定期開催して、参加意欲を維持。
- 自動化(スクリプトやプラグイン)で管理作業を軽減し、運営者の負担を減らします。
さらなる高度化
| スタップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 高度なスクリプト化 | Cron と Bash でサーバーの自動起動・メンテナンス。 |
| 2. データベース連携 | MySQL/SQLite でプレイヤーデータ管理。 |
| 3. ショーティング | BungeeCord で複数サーバー間の橋渡しを実施。 |
これらを順次実装していくことで、単なるサーバーが、ひとつのプレイングコミュニティへと成長していきます。
最初は簡単に済ませられるように基本設置を終えた後、ぜひ プレイヤーフィードバック を受けながらカスタマイズを続けてください。
ご質問やトラブルがあれば、いつでもサポートフォーラムへ投稿。
皆さんの楽しいMinecraftサーバーライフを応援します!