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ARK Survive & Co. サーバーを初心者でもスラスラ構築する方法
ARK Survival Evolved のサーバーを立てたいけれど、サーバー設置のイメージが湧かない、設定が多岐にわたる…という方が多いでしょう。この記事では、サーバー構築の全工程を「初心者が最初に知りたいこと」から「本格的にカスタマイズしたい方向け」までを網羅します。さらに、高速に構築するためのテクニックも紹介しますので、すぐに動かして遊び始めたいあなたも安心です。
目安
- この記事を読めば、SteamCMD と Windows Server を用いた ARKサーバーが1時間以内に稼働可能。
- 何度も同じ手順を繰り返すと、設定をスクリプト化してさらに高速化できます。
1. まずはじめに – 何が必要か
| 項目 | 必要性 | 備考 |
|---|---|---|
| Windows PC / サーバー | ソフトウェアのインストール、ゲームサーバー実行 | 8GB RAM 以上推奨 |
| SteamCMD | Steam のコマンドラインクライアント | 公式サイトからダウンロード |
| ARK Survival Evolved | サーバー用ファイル | SteamCMD でインストール |
| ポート設定 | 外部から接続できるように | 7777/TCP (ゲーム)、7778/TCP (管理) |
| 管理ツール | サーバーを手軽に管理 | arkmanager のスクリプト(Linux 用)を Windows 用に移植可 |
💡初心者におすすめのハードウェアは、Ryzen 5 5600X + 16GB RAM + NVMe SSD の組み合わせです。ゲームファイルの読み込み速度が高速で、サーバー応答もスムーズになります。
2. SteamCMD のインストール
SteamCMD とは、Steam のゲームをコマンドラインから管理・インストールできるツールです。ARK ゲームサーバーは SteamCMD でインストールします。
手順
-
公式サイトから SteamCMD をダウンロードし、解凍(例:
C:\SteamCMD)。 -
steamcmd.exeを実行し、最初の起動では更新されます。steamcmd - コマンドプロンプトが表示されたら、ログインを行います。
login anonymous - インストール先を決めます。
force_install_dir C:\ARKSR\Server
チェックポイント
| チェック項目 | 確認方法 |
|---|---|
steamcmd.exe が起動する |
コマンドプロンプトに「>」が表示 |
| anonymous ログインできる | login anonymous で成功すると「Logged in as Anonymous」表示 |
| インストール先が存在 | C:\ARKSR\Server フォルダ作成 |
3. ARK サーバーのインストール
コマンドラインで実行
app_update 346030 validate
- 346030 は ARK Survival Evolved の Steam ストアアプリ ID (サーバー版) です。
-
validateでファイル整合性を確認し、欠損を自動修復します。
インストールが完了したら…
C:\ARKSR\Server\ShooterGame というフォルダが作られ、ShooterGame/Binaries/Win64/ に ShooterGameServer.exe が入ります。
4. サーバー用設定ファイルの編集
4‑1. GameUserSettings.ini の設定
ShooterGame\Saved\Config\WindowsServer\GameUserSettings.ini がサーバーの基本設定ファイルです。以下のサンプルを参考に編集してください。
[/Script/ShooterGame.ShooterPlayerController]
MaxPlayers=16
...
4‑2. Game.ini のカスタム設定
サーバー独自設定は Game.ini に書くのがベストプラクティス。特に人気の項目は以下です。
[/Script/ShooterGame.ShooterGameMode]
MaxPlayerCount=20
DayNightCycleSpeedScale=1.5
SpawnRadius=0
...
[/Script/ShooterGame.ShooterGameSession]
...
⚠️注意
設定に0を入れるとオーバーライドが無効になることがあります。必ず数値で正しく設定してください。
5. ネットワーク設定 – ポートフォワーディング
ARK は TCP の 7777 と 7778 を使います。外部からのクライアントが接続可能にするために下記設定が必要です。
| ポート | 接続先 | 備考 |
|---|---|---|
| 7777 | Server | ゲームデータ |
| 7778 | Server | 管理データ |
家庭用ルーターで設定
- ルーター管理画面へログイン。
- Port Forwarding → New Port Forward
- 上記 2 つのポートを TCP 単位で設定。
- ルーターに固定 IP を割り当て、サーバーに割り当てます。
🚧サーバーに対して複数台から動かしたい場合は、各サーバーに固有の IP を設定し、個別にポートフォワードしてください。
6. サーバー起動スクリプトを作成
手動で毎回起動するのは面倒。下記バッチファイルを作れば簡単に起動できます。
@echo off
set SRCDIR=C:\ARKSR\Server
pushd "%SRCDIR%\ShooterGame\Binaries\Win64"
ShooterGameServer.exe "ShooterGame/ShooterGame" -log -Port=7777 -QueryPort=7778 -NoBattlEye
popd
🔧*「-NoBattlEye」オプションを付けることで、BattlEye のチェックをスキップし、立ち上げ時間を短縮できます。ただし、外部からの不正アクセスリスクが増えるので、信頼できる環境でのみ使用してください。*
7. 初期構築を高速化するテクニック
| テクニック | 効果 | 実装方法 |
|---|---|---|
| SSD を使用 | ディスクI/Oが高速化 | NVMe を主ディスクにする |
| 複数インスタンスを並列起動 | インストール時間を短縮 | steamcmd.exe -console -login anonymous -app_update 346030 を複数実行 |
-force_install_dir 初期設定 |
再度のフォルダ作成省略 | インストール時に自動で設定 |
| 自動更新機能を有効化 | 手動で更新不要 | SteamCMD の login で自動で確認 |
-validate を省略 |
無駄なファイルチェックを省く | ファイルが壊れていない際に有効 |
8. サーバー管理ツール
8‑1. Windows 用 ArkManager
Linux 専用の arkmanager を Windows でも動かすことが可能です。以下は Windows 版 ArkManager の簡易導入手順です。
- Git for Windows をインストールし、Git Bash を起動。
- 以下を実行。
git clone https://github.com/Riggs/arkmanager.git cd arkmanager ./install.sh -
arkmanagerがC:\arkmanagerにインストール。 -
arkmanager settingsでserver_folderを自分のフォルダに変更。
8‑2. Web 管理画面(Adminer 等)
Docker を使った管理インターフェースを構築することで、ブラウザから設定を編集できます。arkmanager の内部スクリプトを利用すると、簡易的にサーバーの起動・停止が可能です。
9. バックアップ & 複製
9‑1. 重要設定ファイルのバックアップ
robocopy "C:\ARKSR\Server\ShooterGame\Saved\Config\WindowsServer" "D:\ARK_Backup\Config" /e /z
9‑2. サーバー全体の複製
robocopy "C:\ARKSR\Server" "D:\ARK_Backup\Server" /mir /z
🔐バックアップは必ず別ドライブやクラウドに保存。万が一のハードディスク障害対策に。
10. 高度なカスタマイズ
| カスタマイズ | 目的 | 実装ポイント |
|---|---|---|
| サーバーボート(ワールドリセット) | 試験環境用 | -servergamelog でログを取得し、-ServerWorld で再作成 |
| トレジャードロップ | マイニング要素追加 | Game.ini の bSpawnLootOnLoad を true |
| Mod の導入 | クリエイティブ要素増加 | Mod ID に -mod オプション指定 |
| 自動スケジューリング | 自動再起動 | Windows タスクスケジューラでバッチ実行 |
⚙️Mod は互換性が重要です。Steam Workshop から取得した Mod が最新版か確認し、必ずサーバーを再起動後に
-skiploadingオプションでテストしてください。
11. トラブルシューティング
11‑1. サーバーが起動しない
-
ログ確認
ShooterGameServer.logを開き、致命的エラーがないか確認。 -
ポート確認
netstat -a -n -oで 7777/7778 が listen になっているか確認。 -
依存ライブラリ
Visual Studio 再配布パッケージ(2015, 2017 など)が不足していないか確認。
11‑2. クライアントが接続できない
-
IP の確認
外部 IP を WhatIsMyIP で確認し、相手に正しい IP を伝えたか。 -
ファイアウォール
Windows Defender ファイアウォールでポートが許可されているか確認。 -
BattlEye
BattlEye が有効な場合、クライアント側も起動している必要があります。
11‑3. サーバーが頻繁にクラッシュ
-
RAM 使用率
Task Managerで 4GB 以上を割り当てる。 -
ワールドファイル
ワールドが破損している場合、ShooterGame\Content\Maps\Server_World.arkが原因になることがあります。 -
Mod 冲突
Mod が原因の場合は Mod 無しで起動できるか確認。
12. まとめ – 楽しむための一歩
- ハードウェアを整える → SSD + 16GB RAM 以上
- SteamCMD で ARK をインストール
-
設定ファイルを編集 →
GameUserSettings.ini/Game.ini - ポートフォワーディング → 7777/TCP & 7778/TCP
- バッチ起動スクリプトを作る
- バックアップ を定期的に
- Mod・カスタムマップで自分だけの世界を作る
初心者の方は、まずはデフォルト設定で動かし、動くことを確認から始めるのが安全です。
中級者以上の方は Mod を増やしていったり、管理ツールを併用したり、複数サーバーを立ててロード分散させるとさらに楽しめます。
ここまで来れば、あなたも「ARK サーバーを立てるのは難しい」のイメージが消えるはずです。ぜひ、手順を追って立ち上げ、恐竜とのバトルを始めてみてください! 🚀