マルチプレイの世界へようこそ!
ARK: Survival Evolved はサンドボックス型サバイバルゲームとして人気を集め、サーバーを個人やコミュニティで運営することで、より没入感のあるゲーム体験が可能です。そこで今回ご紹介するのは、サーバー運営を簡単かつ高速に行えるクラウドホスティングサービス「Nitrado」を利用したARKのマルチプレイ設定方法です。サーバー構築の初歩から、最適化のコツ、日常の管理まで、初心者でもわかりやすくまとめました。
目次
1. Nitrado とは?なぜARKで人気なのか
Nitrado は「Game Servers as a Service(ゲームサーバーサービス)」を提供するプラットフォームで、サーバーのレンタル・運営を手軽に行える点が魅力です。ARK での主なメリットは次のとおりです。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 簡易セットアップ | ブラウザだけでサーバー構築・管理が完結。 |
| 高速かつ安定 | 専用サーバー群で遅延・クラッシュが少ない。 |
| スケーラビリティ | プレイヤー数に合わせて自動的にCPU・RAMを増減。 |
| 管理コンソール | ウェブベースの UI で設定変更・ログ確認がスムーズ。 |
| バックアップ | 自動・手動バックアップが利用可能。 |
自分で物理サーバーや専用サーバーを運用する場合、ハードウェア購入・構成・ネットワーク設定に時間とコストが掛かりますが、Nitrado によってこれらを一切意識せずに済むため、ゲームの楽しみに集中できます。
2. 必要な前提条件
| 項目 | 概要 | 推奨 |
|---|---|---|
| インターネット接続 | 5 Mbps以上 | 10 Mbps以上 |
| OS | Windows 7/10/11、macOS、Linux | |
| バンド幅 | ダウンロード 1 Gb/h、アップロード 200 Mbps | |
| 管理者アカウント | Nitrado アカウント | |
| ドメイン | 必ずしも必要ではない | |
| ARK の購入 | Steam で販売 | |
| ARK の管理ツール | SteamCMD もしくはサーバーファイル |
※特にアップロード帯域は、サーバー上のプレイヤーが同時にアップロードするデータ(建設・破壊情報)が多い場合に重要です。十分に確保しておきましょう。
3. Nitrado で ARK サーバーを作る手順
3.1 アカウント作成
- Nitrado の公式サイト( https://www.nitrado.net )へアクセス。
- 「Create Account」をクリックし、メールアドレスとパスワードを登録。
- 確認メールを受信し、アカウントを有効化。
3.2 サーバーの選択とオプション設定
-
Game & Version
- 「ARK: Survival Evolved」を選択。
- 最新のリリースを選択しておくと、最新機能を活かせます。
-
Hardware Package
- CPU:2‑4 vCPU を標準とし、プレイヤーが増えたら 8‑12 vCPU へスケール。
- RAM:1Gb が最低、最大 24Gb まで設定可能。
- Disk:最低 30Gb が一般的ですが、mod が多い場合は 50‑100Gb を推奨。
-
Location
- プレイヤーが多い地域に近いサーバーを選択すると、レイテンシが低くなります。
- 例:日本プレイヤーが多い場合は「Tokyo」や「Osaka」を選択。
-
Pricing
- Nitrado では使用量に応じて課金される「Pay‑Per‑Use」方式が基本。
- 予算に合わせて「Standard」→「Premium」など、パッケージを選ぶと割安に利用できます。
-
Additional Services
- Auto‑Update:自動アップデート機能をオンにすると、最新版への遷移が簡単。
- Dedicated Admin:サーバー管理用に専用の管理者権限を設定。
3.3 サーバー構築
- 「Activate Server」をクリックすると、Nitrado がサーバーを構築、設定ファイルをダウンロード。
- 画面上で「Start Server」もしくは「Restart」でき、即座にオンラインに移る。
- Port Forwarding:Nitrado は内部 NAT を使用し、外部からのポート転送設定は不要。
- Server Name と Password をセットし、他者に共有しやすい情報を入力。
3.4 初期設定ファイルの調整
サーバーログイン
-
Admin Commands
-
adminpasswordで管理者パスワードを設定。 -
maxplayersで最大プレイヤー数を決定。
-
Mod の導入
- Nitrado の管理コンソールから「Mods」タブを選択し、Steam Workshop から欲しい Mod を検索。
- 右クリックで「Add to Server」→自動ダウンロードとインストール。
- Mod 設定が必要な場合は、
ARKServerSettings.iniを編集。
World Settings
-
WorldSettings.iniで以下を調整。-
DifficultyOffset:難易度調整。 -
StartRationsMultiplier:開始資源倍率。 -
SpawnRadius:恐竜出現距離。
-
-
失敗した Mod などに対応するため、WorldSettings.ini と GameUserSettings.ini のバックアップを定期的に取得。
3.5 バックアップとリストア
- 自動バックアップ:Nitrado の「Backup」管理で自動スケジュールを設定。
- 手動バックアップ:サーバー管理コンソールから「Download Backup」を選択しローカルで保持。
- リストア:必要に応じて「Restore Backup」を選択し、すぐに復元。
4. サーバー高速化のベストプラクティス
4.1 ネットワーク設定
| 目的 | 対応策 |
|---|---|
| レイテンシ低減 | 日本国内のデータセンターを選ぶ。 |
| パケットロス対策 | UDP フローを優先設定。 |
| 接続安定 | 「EnableServerAdminIPWhitelist」設定で IP を固定化。 |
| 速度保証 | Nitrado の「Quality of Service (QoS)」をオン。 |
4.2 CPU & RAM タイムアウト
- Ark は CPU バウンドが大きいゲームです。
-
MaxServerSideTickRateを 33 Hz(30 Hz が推奨)に設定すると CPU ストレスを減らせる。
4.3 データベース・ログ
- SaveInterval(WorldSaveInterval)を 30 分から 60 分へ延ばすと、ディスク I/O が減ります。
-
ServerLogLevel を
2に設定し、不要なログを抑制。
4.4 モッド管理
- Mod 重複:同じ Mod が重複しているとメモリ使用量が増加。
- Mod バージョン:互換性のあるバージョンを選択。
5. 日常管理のチェックリスト
| 項目 | チェック方法 | 推奨頻度 |
|---|---|---|
| サーバー稼働状況 | Nitrado Dashboard → Status | 週に 1 回 |
| プレイヤー数 | list コマンド |
端末操作が可能な場合 |
| 文字数・記録 | ゲーム内の統計ビュー | 月末 |
| バックアップ | 自動/手動 | 週に 2 回 |
| Mod バージョン | Workshop サイト | 月 1 回 |
| ログファイル | ServerLogLevel の確認 |
必要時 |
定期的な管理は、予期せぬクラッシュやデータ損失を未然に防ぎます。
6. よくあるトラブルと対処法
6.1 接続が頻繁に切断される
- 原因:アップロード帯域不足。
-
対策:帯域を確認・増規、
Port 7777以外のポートは閉じる。
6.2 Mod が正しく読み込まれない
- 原因:Mod と Ark の互換性問題。
-
対策:Mod の公式ページで対応バージョンを確認。
Saveの後再起動。
6.3 サーバーの CPU が 90 % を超える
- 原因:プレイヤー数の急増、Mod の肥大化。
-
対策:
MaxPlayersを減らす、軽量 Mod へ変更、Nitrado の「Scale Up」を実施。
6.4 変更が反映されない
- 原因:設定ファイルが更新されていない。
-
対策:
restartでサーバー再起動、設定ファイルを再確認。
7. サーバー運営をより楽にする拡張ワークフロー
-
スケジューリング
- Nitrado のサーバーを
Auto‑Restartに設定。 - 予期せぬクラッシュやメンテナンスが自動で行われる。
- Nitrado のサーバーを
-
API 利用
- Nitrado の REST API を使って、外部スクリプトで状態監視や自動バックアップを実行。
- 例:Slack に自動通知を送る。
-
監視ツール
- Prometheus + Grafana で CPU/メモリ/ネットワーク統計を可視化。
- アラート設定で異常を即座に検知。
-
コミュニティ管理
- Discord ボットを利用し、サーバーの入退室をトラッキング。
- ボット側で自動的に「サーバーへの招待リンク」を配布。
8. 一般ユーザーが知っておくべき小技
| 技 | 効果 |
|---|---|
| サーバー名に英数 + 記号 | 文字化け防止 |
-server オプション |
デバッグログを取得可能 |
-log |
解析用のログデータ生成 |
-config |
既存設定を別フォルダへバックアップ |
9. まとめ
Nitrado を利用した ARK サーバーは、初期設定から日常管理まで、ほとんどの作業がウェブコンソールで完結できるため、ゲーム好きの方なら誰でも簡単に始められます。高速で安定したプレイ体験を提供するため、適切なハードウェア選択、モッド管理、バックアップ体制は不可欠。定期的なチェックリストを守り、トラブルが起きた際はトラブルシューティング表を参照すれば、問題はスムーズに解決します。
サーバー運営は、まさに「ゲームの裏側を作るアーティスト」的なもので、プレイヤー同士のコミュニケーションをより深めるために不可欠です。今日ご紹介した手順とベストプラクティスを活用し、仲間と共に壮大なダイノサウルスの世界を築き上げてください。 Happy Raiding!