目次
はじめに
ARK: Survival Evolved のサーバー運営に挑戦する際、設定ミスが原因でトラブルが増えるケースが多いです。特に初心者は、サーバーパラメータを間違えてしまい、プレイヤーが不満を抱く事態に陥りがち。この記事では、設定ミスを最小限に抑えるための5つのポイントと、初心者でもすぐに対処できるトラブルシュートをまとめました。サーバーを立ち上げたばかりのあなたでも、安心して運営を進められるようサポートします。
1. サーバー設定の基本構成
サーバーを起動する前にまず把握しておきたいのは、サーバー構成の主要ファイルです。以下の3つが最も重要です。
| ファイル名 | 説明 | 主なパラメータ |
|---|---|---|
Game.ini |
全体の設定をまとめるメインファイル | MaxPlayers, Difficulty, EnableMod, ServerSettings |
GameUserSettings.ini |
プレイヤーの個別設定が反映されるファイル | ClientPlayerName, PlayerSlot, SaveGame |
ArkTuning.ini |
ゲーム内のバランス調整設定 | BaseDamage, CaptureTime, TamedPetLevel |
特に Game.ini に書かれた設定はサーバー全体に影響を与えるため、誤った数値を入れると直ぐにバグを招くことがあります。
2. よくある設定ミスとその原因
| ミス | 原因 | 典型的な症状 |
|---|---|---|
| プレーヤー人数を多めに設定 | MaxPlayers を設定しすぎて、リソースに余裕がない |
サーバーが頻繁にクラッシュ、Pingが極端に上昇 |
| メモリ割り当て不足 | JVM メモリに -Xmx を十分に設定していない |
サーバーがローディング中に停止、頻繁な GC |
| Mod の競合 | 同一機能を持つ Mod が複数導入 | ゲーム内でエラーが発生、プレイヤーがリプレイできない |
| 設定ファイルの古いパラメータ使用 | ARK のアップデート後に変更されたパラメータをそのまま使用 | パラメータが無視され、期待した効果が得られない |
| ルート権限で起動 | sudo などで root で起動 |
セキュリティリスク、ファイルに不自由が起こる |
これらを未然に防ぐために、次に紹介する5つのポイントが役立ちます。
3. 設定ミス防止の5つのポイント
3.1 サーバーリージョンとマップを正しく選択
-
リージョン
日本プレイヤーが多い場合、JPもしくはUSのサーバーに近いリージョンを選びましょう。Ping が低いほど、遅延の少ない快適なプレイが可能です。 -
マップ
The Island,Scorched Earth,Aberrationなど、マップごとにリソースや地形が大きく異なります。予め実際にプレイした感覚を把握しておくと、設定ミスが減ります。
チェックリスト
-
MapName = “TheIsland”(正しいスペルとケースを確認) -
MapSettingsのパラメータはマップに合わせて調整
3.2 推奨ハードウェアスペックを理解してメモリとCPUを確保
| ハードウェア | 推奨 | コメント |
|---|---|---|
| CPU | 4コア以上 | ARK のサーバーはマルチスレッドで動作。CPU のコア数が少ないと高負荷時にサーバーが応答しなくなる |
| RAM | 8GB 以上 | -Xmx パラメータでメモリを 6GB 以上確保し、余裕のある設定へ |
| SSD | 100GB 以上 | ディスクIO がボトルネックにならないよう、SSD 接続を推奨 |
メモリ設定例(arkserver.sh へ)
java -Xms2G -Xmx6G -jar RwServer.jar...
3.3 重要パラメータを公式公式ドキュメントで確認
-
Difficulty
VeryEasy,Normal,VeryHardのいずれか。設定ミスで数値が入ると無視されるケースがあります。 -
EnableMod
TrueとFalseの大文字・小文字を必ず守る。 -
Port
7777 がデフォルト。ポートが重複していないか確認。
備忘録
公式フォーラムまたはSteamのサーバー設定ガイドを頻繁に参照し、アップデート時にパラメータが変更されていないか確認します。
3.4 定期的に設定ファイルのバックアップ
Game.ini, GameUserSettings.ini, ArkTuning.ini を毎回編集するたびにバックアップを取る習慣を付けましょう。GitHub Gist などのオンラインストレージに保存すると、簡単にリストアできます。
~/.steam/steam/steamapps/common/ARKrServer/Config/Backup2025-12-15.zip
3.5 パッチ適用と Mod のロック
ARK のパッチがリリースされるたびにサーバーと Mod による不整合が起きることがあります。
-
パッチ適用
steamcmdで自動更新を設定し、最新版を常に保ちます。 -
Mod のバージョン管理
Mod のModList.jsonを使い、動作するバージョンを固定。 -
Mod の更新チェック
公式 Mod ページに「更新情報」があるか常に確認し、手動で更新するかスクリプトで自動化。
4. よくあるトラブルと簡単対処法
4.1 サーバーが応答しない / クラッシュする
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| メモリ不足 | -Xmx を増やす、不要 Mod を無効化 |
| CPU 過負荷 | プレイヤー数の制限、SpawnRate を下げる |
| 設定ファイルの不整合 | Game.ini 構文ミス修正、ArkTuning.ini を最新に |
ログ確認
~/steamcmd/steamapps/common/ArkServer/Logs/
エラーメッセージに Failed と Missing が頻出した場合、設定の見直しが必須です。
4.2 高Ping / レイテンシが発生
- リージョンを再検討。
pingコマンドで実際の遅延を確認。 -
NetworkLatency設定を1000以上に上げる。 - 物理的に近いマシンでホストする場合は WiFi より有線を推奨。
4.3 Mod 関係のクレイジーなバグ
- すべての Mod を一度無効化し、サーバー再起動。正常に動作するか確認。
- 1 つずつ Mod を有効化し、クラッシュの原因を特定。
- Mod の最新版で問題がないか、公式フォーラムを調べる。
4.4 プレイヤーが「死亡ペナルティ」を受けない / 無効化
-
DeathPenaltyパラメータをチェック。DeathPenaltyEnabled = True - サーバー再起動後に効果が発揮されることを確認。
- Mod で死亡ペナルティが変更されている場合は Mod の設定を併せて確認。
4.5 保存ファイルの破損・データ消失
- 定期的に
Saves/フォルダをバックアップ。 -
AutoSaveIntervalを30分に設定し、頻繁に保存。 - データが破損したら、以前のバックアップで復元し、サーバーを再起動。
5. まとめ
- サーバーリージョンとマップは最初から正しく選択し、ハードウェアスペックは推奨値を満たすようにする。
- 設定ファイルは公式情報を随時確認し、バックアップとバージョン管理で安全策を講じる。
- トラブル発生時はまず ログ を確認し、設定ミスや リソース不足 といった根本原因を特定。
- Mod を導入する場合はバージョンロックと更新チェックを徹底し、競合対策を事前に行う。
サーバー運営は最初は少し手探りかもしれませんが、上記のポイントを押さえれば「設定ミス」を大幅に削減できるはずです。まずは一度サーバーを立ち上げ、実際にプレイヤーの反応を見ながら微調整を行ってみてください。次回は「高度なチューニング手法」や「Mod を使ったカスタムイベントの構築」など、さらに深掘りした内容を紹介予定です。幸運を祈ります!