マインクラフトのマルチプレイは、友達と冒険したりコミュニティを作ったりするための最強のツールです。
しかし、初心者がサーバーを立ち上げたり、クライアントを接続したりすると、さまざまな障壁に直面します。
本記事では、サーバーの起動から設定、接続に至るまでの流れを段階的に解説し、発生しやすいトラブルとその対処法をまとめました。
ぜひ手順に沿って設定を進め、快適なマイクラライフを手に入れましょう。
目次
① マルチプレイサーバーの構築を始める前に確認すべきこと
| 項目 | 内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| Minecraftのバージョン統一 | ゲームクライアントとサーバーのバージョンは完全一致。 | ★★★★★ |
| 利用方法の決定 | オフライン(ローカルLAN)か オンライン(インターネット経由)かを選択。 | ★★★★ |
| サーバーの仕様 | 自宅のPC?レンタルサーバー?クラウド? | ★★★ |
| ポート設定 | デフォルトは25565。ファイアウォールやルーターで開放必須。 | ★★★★ |
| バックアップ | 重要な世界データを事前にバックアップ。 | ★★★★ |
ポイント
バージョン違いは単なる見た目の違いだけでなく、サポートされていないブロックやアイテムによりクラッシュする原因になります。
まずは、公式サイトで最新版をダウンロードし、サーバー側も同じバージョンを使用してください。
② サーバー環境を構築する
1. Windows 10/11 用サーバーのダウンロード
# PowerShellで直接取得
Invoke-WebRequest -Uri "https://launcher.mojang.com/v1/objects/<minecraft_server_hash>/server.jar" -OutFile "minecraft_server.jar"
注
<minecraft_server_hash>は公式 Minecraft サーバーのダウンロードページで確認できます。
例:0d9fbdca3e0db9d1c9b1d5ed52b3dd7f7f8d0e3c
2. サーバー起動用バッチファイルを作成
:: start_server.bat
@echo off
java -Xms2G -Xmx4G -jar minecraft_server.jar nogui
pause
-
-Xms2Gと-Xmx4Gは JVM に割り当てるメモリ量です。- 自宅PCの場合は4〜8GBくらいを割り当てると快適。
- サーバー専用なら 8GB 以上に設定。
3. サーバー設定ファイル (server.properties) を編集
| キー | 値 | 説明 |
|---|---|---|
server-port |
25565 |
サーバーが使用するポート。変更したい場合は新しい番号を設定。 |
enable-command-block |
true |
コマンドブロックを有効化。特にコマンドブロックで自動化したい場合に必須。 |
max-players |
20 |
同時プレイヤー数。必要に応じて増減。 |
online-mode |
true |
Mojang認証を有効にする。オフラインLANなら false。 |
allow-nether |
true |
ネザーへの移動を許可。 |
pvp |
true |
プレイヤー対プレイヤーコンフリクトを許可。 |
ヒント
allow-nether=trueのとき、Neitのエンドポータルからの転送は自動で許可されます。
ただし、enable-command-blockは必ずしておくことで、後からコマンドブロックを入れ替えるときに手間が減ります。
4. ファイアウォールとポートフォワーディング
Windows ファイアウォール
- スタート → 「Windows Defender ファイアウォール」と入力
- 「詳細設定」をクリック
- 「受信の規則」→「新しい規則」→「ポート」
-
プロトコルとポート: TCP, 特定のポート →
25565 - 操作: 接続を許可
- 適用範囲: 適切なプロファイルを選択
-
プロトコルとポート: TCP, 特定のポート →
- 完了
ルーターでのポートフォワーディング
ルーターの管理画面 (通常 192.168.1.1 など) にログインし、
ポートフォワーディング または NAT 設定を探す。
-
外部ポート:
25565 -
内部ポート:
25565 -
内部IPアドレス: サーバーをホストしているPCの LAN IP (例:
192.168.1.12) - プロトコル: TCP(UDPは必要ない)
注意
ルーターによっては「IGMP」「DMZ」設定を行うことも有効です。
ただし、DMZは安全性に影響するので必須ではありません。
⑤ クライアント側の設定
1. マルチプレイに参加
- Minecraft を起動 →
マルチプレイ→サーバーに追加-
サーバーアドレス:
- 内部LANであれば
192.168.1.12:25565 - 外部からアクセスする場合は
your_public_ip:25565(例:34.123.45.67:25565)
- 内部LANであれば
- サーバー名: 任意に設定
-
サーバーアドレス:
- サーバー一覧に表示されたら「選択」→
転送
2. 必要に応じてリソースパックを調整
- サーバーでは 5.1 以上のリソースパックに制限があります。
-
options.txtでresourcePackPromptをfalseに設定し、クライアント側のリソースパックを強制的に有効化することで、バージョン違いのエラーを回避できます。
⑥ よくあるトラブルと対処法
| エラー | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
Cannot connect. Server address not found |
アドレスが誤っている、DNS 解析が失敗 | IP とポートを再度確認、ポートフォワーディングを見直す |
Out of memory |
JVM のメモリが不足 | b. 起動バッチの -Xmx を増加 |
Server closed the connection |
サーバー側にバージョン不一致 | ゲームとサーバーの同一バージョンを使用 |
Cannot load world |
worlds フォルダーにアクセスできない |
ファイルパーミッションを確認、ウイルス対策ソフトを一時停止 |
Too many players |
プレイヤー数が上限を超えている | server.properties の max-players を増加 |
④ ファイアウォールでの接続拒否
- Windows Defender では
javaw.exeを許可する必要がある場合があります。 - ルーター側で VPN が有効であると、外部アドレスが隠れるので、VPN を切り離すか、ルーター上で VPN 直結の設定を行うと良いです。
⑤ ネットワーク遅延とパケットロス
- 高速で低遅延のインターネット回線を推奨 (光回線・高速モデム)。
-
netstatで TCP パケットの状態確認し、必要に応じてルーターの QoS 設定を使って Minecraft のトラフィックを優先度高に設定する。
⑥ サーバーのパフォーマンスを最適化する
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | Mod / プラグインの選択: 必要最低限に絞る。多すぎると CPU / RAM 消費が増える。 |
| 2 | プロセッサ負荷の監視: タスクビューで CPU 使用率を確認。必要であれば -XX:+UseG1GC を追加。 |
| 3 | デスクトップ環境を最低限: バックグラウンドで動くソフトは最小限に。 |
| 4 | ディスク速度の確認: SSD を使用すると読み書き速度が改善され、ワールドロードが速くなる。 |
| 5 | バックアップ頻度: 定期的に worlds フォルダーを別ディスクへコピー。 |
オプション: eTweaks などのツール
-
eTweaksは Minecraft サーバーのメモリ使用効率を大幅に改善するフリーソフトです。 - インストール後、
server.jarをserver_e.tweak.jarで置き換えるだけで自動的にパフォーマンスが向上します。
⑦ サーバーのリソース管理とチーム運営
-
サーバー専用 OS: Ubuntu 20.04 LTS で
systemdサービス化すると再起動時に自動起動。 -
リソースの割り当て:
systemdのMemoryMax=とCPUShares=を設定。 -
ログ管理:
logrotateでサーバーのログをローテート。 - コミュニケーション: Discord ボットや Teamspeak を併用すると、チャットと音声が同時に管理できる。
例:
/etc/systemd/system/mcserver.service
[Unit]
Description=Minecraft Server
After=network.target
[Service]
WorkingDirectory=/opt/minecraft
ExecStart=/usr/bin/java -Xms2G -Xmx4G -jar minecraft_server.jar nogui
Restart=on-failure
User=minecraft
MemoryMax=6G
CPUShares=1024
[Install]
WantedBy=multi-user.target
⑧ まとめ:初心者でも安心してマルチプレイを楽しむために
-
バージョンを統一
すべてのクライアントとサーバーで同じ Minecraft バージョンを使用する。 -
ポートを正しく開放
Windows ファイアウォール+ルーターで25565/TCPをフォワーディング。 -
メモリとCPUの制限
サーバー起動に必要な JVM オプションを調整し、十分なリソースを確保。 -
トラブル時はログを確認
logs/フォルダーに詳細な情報が残っているので、エラー内容を把握できる。 -
定期的なバックアップ
万が一のデータ喪失に備え、世界フォルダーを別ドライブへ保存。
これらを実践すれば、初心者でも初心のハプニングをほぼ解消し、友人やコミュニティと楽しいマルチプレイライフを送ることができます。
まずは簡単なサーバーを起動してみて、少しずつ設定を増やしていくと、手順がイメージしやすくなります。幸運を祈ります!