目次
はじめに
マイクラス(MicroClass)で自社のブランドカラーやデザインでページをカスタマイズしたいと思ったことはありませんか?
学習管理システム(LMS)やオンラインコースの見た目を変える「スキン」作成は、ちょっとしたCSSだけで簡単に始められる作業です。
本記事では、CSSやSCSSの知識がほとんどない初心者でもスムーズにマイクラススキンを作成できるよう、最短ロードマップを段階的に解説します。
1. まずはマイクラスが何かを知ろう
- マイクラスとは:プラスチック型の「MicroClass」ではなく、教育コンテンツを構築・配信できるLMSプラットフォームのこと。
-
スキンの役割:
- ユーザーインターフェースの色・フォント・レイアウトを統一
- 企業・教育機関のブランディングを実現
- 見やすさ・操作性の向上
スキンを編集するには、マイクラスの管理者権限(「テーマ管理」や「カスタマイズ」のメニュー)にアクセスできることが前提です。
2. 必要なツールと環境を整える
| タスク | 推奨ツール | 内容 |
|---|---|---|
| コードエディタ | VS Code / Sublime Text | シンタックスハイライト、拡張機能付き |
| バージョン管理 | GitHub / GitLab | 複数人での作業や履歴管理 |
| ブラウザ | Chrome/Firefox | 開発者ツールでリアルタイム確認 |
| ローカルサーバ | Live Server (VS Code拡張) | HTML/CSSを即座に反映 |
| デザインツール | Figma / Adobe XD | カラーパレット・フォントを設計 |
コツ:SCSS を使う場合は
node-sassなどのコンパイラを揃えておくと便利です。
Tip:デザインを共有する際は Figma の「リンク」機能で実装担当に配布するとスムーズ。
3. デザインのベースを作る — 色・タイポ・アイコン
-
カラーパレットを決める
- 主要カラー(Brand Primary)と補助カラー(Accent)を3-5色ずつ設定
- 視認性を確保するため WCAG 2.1 の対比率を確認
-
フォントファミリーを選定
- 本文用(例:Noto Sans JP)、見出し用(例:Roboto Condensed)
- ウェブフォント(Google Fonts)を利用すると簡単に組み込み可
-
アイコンセットを揃える
- Font Awesome / Material Icons から共通アイコンを選定
- ステータスアイコン(確認済み / 未確認)などを統一
例:
$primary : #0066b3;
$secondary : #ffcc00;
$neutral-1 : #f5f5f5;
$neutral-2 : #333333;
$font-body : 'Noto Sans JP', sans-serif;
$font-heading: 'Roboto Condensed', sans-serif;
4. SCSS でテーマを作り込む
4‑1. 変数とミックスインを活用
-
変数を使えば
color:やfont-size:を一括で変更可能 - ミックスインで共通のレイアウトやボタンスタイルを再利用
// _variables.scss
$font-base: 1rem;
// _mixins.scss
@mixin button($bg, $color) {
background: $bg;
color: $color;
padding: .8rem 1.4rem;
border-radius: .3rem;
transition: .2s;
&:hover { opacity: .9; }
}
// _buttons.scss
.btn-primary { @include button($primary, #fff); }
.btn-secondary{ @include button($secondary, #000); }
4‑2. レスポンシブ対応
@media でブレークポイントを設定し、PC・タブ・モバイルに最適化。
@media (max-width: 768px) {
.navbar { flex-direction: column; }
}
4‑3. カスタム CSS 変数(--)の活用
JavaScript で簡単にテーマ切替が可能です。
:root {
--primary-color: #0066b3;
--primary-font: 'Noto Sans JP', sans-serif;
}
5. 変数とコントロールでカスタマイズ
マイクラス の「スキン管理」ページでは JSON 設定や カスタム CSS 変数として渡せます。
例として、色を変更するだけで済む設定を紹介します。
| 設定項目 | JSON 例 | 説明 |
|---|---|---|
| brand-primary | "#0066b3" |
主要カラー |
| brand-font | "Noto Sans JP" |
フォントファミリー |
| logo-url | "/assets/logo.svg" |
会社ロゴ |
{
"brand-primary": "#0066b3",
"brand-font": "Noto Sans JP",
"logo-url": "/assets/logo.svg"
}
-
デバッグ:ブラウザ開発者ツールで
:rootの CSS 変数をリアルタイムに確認。
6. テスト環境で確認・デバッグ
- Live Server でローカルにマイクラスを構築
- Chrome DevTools の「Elements」→「Computed」タブで CSS が正しく適用されているか確認
- エラーログ:コンソールに出力されたエラーを修正
- アクセシビリティテスト: axe などの拡張機能で色対比やフォーカスの確認
Tip:テストケースを作成し、**「モバイル」「デスクトップ」「大きい文字サイズ」**ごとに確認リストを用意すると抜け漏れ防止に有効です。
7. スキンをパッケージ化してアップロード
7‑1. パッケージ構成
microclass-skin/
├─ assets/
│ ├─ css/
│ │ └─ main.css
│ ├─ images/
│ │ └─ logo.svg
│ └─ fonts/
├─ config.json
└─ README.md
- main.css:ビルド済み CSS
- config.json:テーマ設定ファイル
- README.md:バージョン情報・利用方法
7‑2. アップロード手順
- マイクラス管理画面 → スキン → 「新規追加」
- ZIP アーカイブ(上記フォルダ構成)をアップロード
- アップロード成功後、プレビューからレイアウト確認
- 有効化 → 全ユーザーに反映
注意:
assets/内のファイルは相対パスで参照する必要があります。
Tip:大きな画像は WebP など軽量形式に変換しておくとロード時間が短縮されます。
8. ローンチ・バージョン管理のコツ
| 作業 | ツール | コツ |
|---|---|---|
| バージョン管理 | Git | git commit -m "Add primary color theme" |
| CI/CD | GitHub Actions | build ライブラリで SCSS → CSS |
| ドキュメント | Confluence / Notion | 「変更点」「ビルド手順」も残す |
8‑1. バージョン番号付け
SemVer(例:1.0.0)を採用し、次のように区分
- Major:デザインの大幅変更
- Minor:UI コンポーネントの追加/変更
- Patch:バグ修正・微調整
8‑2. テスト環境での検証
- staging 環境で 1 回テスト後に本番へデプロイ
- ユーザーテスト:数名のコーチや学習者に実機で確認してもらう
- フィードバック:Google フォームなどで設問を設置し改善点を把握
まとめ
- まずはマイクラスの構造を把握
- 必要なツールを揃える
- カラーパレット・フォント・アイコンを決定
- SCSS で変数・ミックスインを使ったベース作成
- JSON 設定で簡単にカスタマイズ
- ローカルテストでデバッグ
- パッケージ化してアップロード
- バージョン管理とCI/CDで品質維持
これらのステップを踏めば、初心者でも「マイクラススキンを作る」プロセスが明確になり、数日程度で自社ブランドに合わせたUIを公開できるようになります。ぜひ今日から始めてみてください 🚀