導入文
Minecraft の Redstone 技術は、単なる電気回路を超え、ゲーム内のロジックや自動化の基盤を担っています。その中でも「Observer(オブザーバー)」は、プレイヤーの想像力を刺激する小さな奇才です。瞬時にブロックの状態変化を検知し、1 歩前のブロックから信号を送ることで、驚異的な精度と速さを実現します。このガイドでは、Observer の基本的な作り方から、実際の応用例、トラブルシュートまでを網羅。初心者の方から上級者までが活用できるよう、ステップバイステップで解説します。
目次
Observer(オブザーバー)とは?
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形状
1×1×1 の小さなボックスで、前面に「ピン」のような凸部があります。見た目はシンプルですが、特殊な発火機能を持っています。 -
発火条件
1つ前のブロックの状態(配置・破壊・状態変更)が変わった際だけ発火。ブロックが同じ種類で変化しただけでは発火しません。 -
信号伝送
発火時、1 つ前のブロックの「前面」に向けて Redstone 信号(パルス)を送ります。信号の強度は 15 で、距離が 16 ブロックになるまで伝わります。
1. オブザーバーの作り方・材料
| 材料 | 必要数 |
|---|---|
| 石のブロック | 2 |
| 右クリックで配置 | 1 |
| 作業台 | 1 |
作成手順
- 作業台を開きます。
- 上段左と右に石を置き、中央のスロットに石を置くと、Observer が出現します。
- 出てきた Observer を好きな場所に置くだけです。
コツ:石の種類は通常石でも、赤い砂岩・黄石などの色付きブロックでも作れます。色を変えて見た目に変化をつけるのも楽しいですね。
2. 基本的な活用法と発火原理
2.1 前方に設置=後方ブロックの発火
Observer を 前方に置くと、背後のブロックが変化したときに発火します。
例:Observer を 1 ブロック手前に置き、手前に水を配置すれば、水が流れ込むと Observer が発火。
2.2 後ろに設置=前方ブロックの発火
Observer を 後ろに置くと、前方のブロックが変化したときに発火します。
例:Observer の後ろに作ると、前のブロック(例えばスライムブロック)が壊れたときに発火。
2.3 発火タイミングの調整
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Redstone タイマ
Observer は瞬時に発火しますが、信号を受け取る側(レッドストーンリピーター)の遅延でタイミングをずらせます。 -
Repeater の延長
ループを作る場合は、リピーターを数ブロックの間隔で配置し、リピート回数を設定します。
3. ほんの手間で自動化できる例集
3.1 自動バンバン自動採掘 (Auto-Smasher)
1. 爆薬 (TNT) を Observer の前方に置く
2. Observer が爆薬を検知すると 1 歩前のブロックへ信号→リピーターで連続発火
3. TNT が自動で落ちるように設置すれば、永続的に崩壊が起こる
3.2 水上歩道自動開閉
- 2 つのスサノオブロックを Observer で監視
- 1 つが流れると発火 → タグ付きレッドストーン回路で歩道を開閉
3.3 スライムプール自動リセット
- スライムブロックを Observer で監視
- 破壊時に Observer 発火 → 再設置用のレッドストーン信号へ送信
3.4 プレイヤー検知ダイオード
- プレイヤーが走ると地面のブロックが変わるケース
- Observer を前方に置き、変化で発火 → ダイオードで信号を可視化
4. 進化系:Observer を使った高度な回路
4.1 1 ブロックずつ順番に発火させるタイマー
- Observer を1つずつ列に設置し、各 Observer の前面にリピーターを接続
(リピーターの延長を調整して、連続で発火) - 最後の Observer が発火したら、別の回路へ信号を渡してカウントを増やす
4.2 離散データの保持(Observer + Comparator)
Observer が発火したら、Redstone Comparator を使用して強度を 0 か 15 に変換し、デバイスにフィードバック。
4.3 クロックリフレクタ―
Observer を 2 つ折り返すことで、リピート回路を高速化し、**“クロックリフレクタ―”**を作る。
> 例:
> Observer1 (X) → Observer2 (Y) → Observer1 (X) …
> 両方が互いに発火することで、約 1 tick の遅延で極めて高速なクロックを作れます。
5. 応用テクニック:Observer を組み合わせる際の注意点
| ケース | 課題 | 回避策 |
|---|---|---|
| 複数の発火が同時に起きる | 同時に多くの信号が送られ、回路が止まる | パルスの長さを調整するリピーターを入れる |
| 信号が消えない | Observer が再発火しない | 発火前のリピーターを短く (0 つ) して再発火を可能にする |
| ノイズ (Random Fires) | 周囲のブロック変更に反応 | Observer の前方ブロックを「固定」ブロックにする |
| レッドストーンの長距離伝送 | 16 ブロックで減衰 | クリアの篩 (Glowstone) 等を使い、Signal Strength を上げる |
6. トラブルシュート:よくある問題と対処法
| 何が起こるか | 可能性の原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| Observer が一度も発火しない | 「前方にあるブロック」(対象ブロック) が変化していない | 該当ブロックを実際に壊す・再配置する |
| 信号が途中で途切れる | 信号の減衰が 16 ブロック以内に収まらない | リピーターを挟むか、レッドストーンブロックの増設 |
| パルス長が不適切 | リピーターの Delay が 0 だと信号が短すぎる | Delay を 1 〜 4 に設定して試行 |
| 永続的に発火している | Observer が 2 種類以上の対象ブロックに接続されている | 対象ブロックを単一にし、不要なブロックを取り除く |
7. まとめ
オブザーバーは、Redstone 回路に「感覚」を与えるアイテムです。
- 作り方はシンプル。
- 発火条件は前方ブロックの状態変化だけ。
- 活用法は自動採掘から高度なクロック構造まで多岐に渡る。
- 応用ではリピーターやコンパレーターと組み合わせて多彩なパルス制御が行える。
これらを理解・実装すれば、単なる Redstone 回路から「ゲーム内の自律的なメカニズム」へと進化します。ぜひぜひ、自分だけの Observer 回路を作ってみてください。 Happy mining!