目次
はじめに
Minecraftはブロックを積み上げて世界を作り出すゲームですが、実はコマンドを使うことでワールドに新たな可能性を与えることができます。
プレイ中に「/give」「/teleport」などを入力するだけで、ゲーム内に制御できないようなスキルを実装したり、複雑な構造物、イベントを作り上げることが可能です。
初級者は「コマンド?それって何?」と戸惑い、上級者は「どのように実装すれば遊びが広がるのか?」を追求します。
今回のガイドでは、初心者がすぐに始められる基礎知識から、プロが利用する応用テクニック、さらに無料で入手できる便利なリソースまでを網羅します。
1. まずは「コマンドとは何か」を理解しよう
Minecraft でコマンドと呼ばれるものは、**サーバーやワールドをコントロールする「指令文」**です。
-
入力方法:
/(スラッシュ)でコマンドを開始。 - 実行範囲: その場で実行できるコマンド(例:/tp)と、全体に影響するコマンド(例:/summon)があります。
- コマンドブロック: 物理的なブロックにコマンドを書き込んで自動化できるほか、レッドストーンと連携して複雑な仕掛けを作れます。
コマンドを使わないで済む場合は試さない方が楽。実務用でない限り、コマンドはチート感に感じることが多いので注意。
2. 基礎コマンドまとめ——初心者でも安心
2‑1. /give
自分や他者にアイテムを与える最も基本的なコマンドです。
/give @p minecraft:diamond_sword 1
-
@p: 最も近いプレイヤー -
minecraft:diamond_sword: ダイヤモンド剣 -
1: 個数
2‑2. /tp や /teleport
テレポートで位置を制御。
/tp @p 100 64 200
-
100 64 200: X Z Y 座標
2‑3. /setblock と /fill
ブロックを配置・交換。
/setblock ~ ~ ~ minecraft:emerald_block
/fill ~ ~ ~ ~5 ~5 ~5 minecraft:stone
-
~ ~ ~: 相対座標(自分の位置を基準)
2‑4. /summon
生物やエンティティを召喚。
/summon minecraft:zombie ~ ~ ~ {NoGravity:1d,Silent:1}
- ノー重力で空中に浮かぶゾンビを生成
2‑5. /scoreboard
目的に応じたスコア管理。
/scoreboard objectives add KillCount dummy Killing Count
/scoeboard players add @p KillCount 1
- プレイヤーごとの殺害数を記録
コマンドのシンタックス
すべては「/+ コマンド名 + 引数」で構成。
引数は空白で区切り、必要に応じて中括弧{}に NBT データを入れます。
コマンドブロックではexecuteで条件付き実行も可能です。
3. コマンドブロックで「仕掛け」を作る
3‑1. コマンドブロックの種類
| タイプ | 付与条件 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 通常 | 受け取ったレッドストーン | 簡易実行 |
| 反転 | 受け取ったレッドストーンの逆 | 簡易制御切替 |
| 条件付き | 受け取ったレッドストーンの有無に関係なく実行 | 連結に便利 |
| 連鎖 | 受け取ったレッドストーンと連動 | 一連の処理をステップバイステップ |
3‑2. 典型的な仕掛け例
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自動農場:
/setblock ~ ~-1 ~ minecraft:waterで水を流し、/setblock ~ ~-1 ~ minecraft:hopperでコレクション。 -
トラップ:
/summon minecraft:falling_block ~ ~10 ~ {BlockState:{Name:"minecraft:stone"},Time:30}で降るブロックを生成。 -
イベントキューボックス:
/playsoundでサウンドを再生・/giveでインスタントドロップ。
コマンドブロックは「
Ctrl+N」で編集画面を開き、条件や先行/遅延設定で複雑性を増すことができます。
4. 複雑操作が可能になる「execute」文
execute 文は「現在のコンテキストを変更してコマンドを実行」する機能です。
execute as @a at @s run tp @s ~ ~5 ~
-
as @a: すべてのプレイヤーを対象に -
at @s: 各プレイヤー自身の位置で -
run tp @s ~ ~5 ~: 5ブロック上方へテレポート
4‑1. 条件付き実行
execute if entity @e[type=zombie, distance=..10] run say Zombie nearby!
- 10ブロック以内にゾンビがいる場合にメッセージ表示
4‑2. NBT データ操作
execute if data entity @p{SelectedItem:{id:"minecraft:iron_sword"}} run give @p minecraft:golden_sword 1
- プレイヤーが鉄剣を持っていたら金剣を与える
ポイント
execute は「as,at,if,unless,store,run」で構成され、非常に柔軟。
これを利用して、プレイヤーの行動に合わせてアイテムやエンティティを動的に生成できます。
5. 実践テクニックと最適化
5‑1. マルチパラメータで高速化
/execute store result score @s Speed run data entity @s Attributes[Name="generic.movement_speed"].Base
- プレイヤーの移動速度をスコアボードに保存し、GUI 表示や他のコマンドで利用。
5‑2. レッドストーン回路とコマンドの結合
- スイッチ付きチャージ:レッドストーンリピータで一定時間だけ送信し、コマンドブロックで一時的なエフェクトを発動
- デンジャーゾン:プレイヤーの位置をリアルタイムで追跡し、障害物を自動で設置
5‑3. 動的構造物生成
summon minecraft:structure_block ~ ~ ~ {Structure:"my_world:mega_house",Mode:"LOAD",Rotation:"NONE",Mirror:"NONE",StructureName:"mega_house"}
-
.zipで構造体をアップロードし、コマンド一行で巨大な建築を瞬時に設置。
パフォーマンス注意
- 重いコマンド(大量の
/summonや/fill)はフレーム落ちを招く。- コマンドブロックは「
Auto」より「Impulse」で一回きりの実行を推奨。
6. 無料で手に入るおすすめリソース集
| 目的 | URL | 内容 |
|---|---|---|
| コマンドリファレンス | https://minecraft.fandom.com/ja/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89 | コマンド一覧、シンタックス、例 |
| コマンドMCFunction 集合 | https://github.com/minecrafted/mcfunctions | 実践的なサンプルスクリプト。 |
| コマンドブロック作成ツール | https://www.minecraft.net/ja-jp/creator-tools/command-block-editor | ブラウザでビジュアルにコマンドを組み立てられる。 |
| スコアボード&NBT テンプレート | https://github.com/DK3L/mcfunctions | よく使うテンプレートを再利用できる。 |
| 学習動画チャンネル | YouTube: "Tear". | コマンドで作る仕掛けのチュートリアル。 |
| Minecraft Wiki (英語) | https://minecraft.fandom.com/wiki/Command | 詳細・フォーマットが英語だけど高速検索。 |
使い方
まずは Minecraft Wiki で自分が作りたい機能を探し、サンプル を見つけて構文を覚えます。
その後、GitHub のリファレンスを使って NBT データや条件式を組み込み、YouTube で動かしながら確認。
7. 高度なテクニック:ゲーム内自動化の極意
7‑1. カスタムスコアボードとデータテーブル
-
scoreboard objectives add xp dummy Xp -
scoreboard players set @p xp 1000 - さらに
execute if score @p xp matches 100.. run say XP full!
・スコアが閾値に達した瞬間に反応(ダンジョン進行などに活用)。
7‑2. コマンドブロックネットワーク
- シフトの入れ替え
- 条件分岐
- データドロウ
- 例: プレイヤーが特定のブロックを踏むと、連鎖でエンディングイベントを発動。
7‑3. プレイヤーインターフェース
-
tellrawで JSON 形式のメッセージを発行し、インタラクティブな UI を作成。 - クリックで別コマンドを実行 (
clickEvent:{action:"run_command",value:"/say Hi"})。
7‑4. サーバー管理者向け
-
/whitelist add @r,/whitelist remove @r -
/effect give @a minecraft:night_vision 5000 1 true - これらはマルチプレイでサーバー稼働を効率化。
8. よくある質問(FAQ)
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| コマンドブロックはどこで作れる? | プレイヤーが「/give @p minecraft:command_block」のように入手し、設置・右クリックでメニューを開けます。 |
| コマンドブロックはレッドストーンなしでも機能する? | Auto モードにするとレッドストーン・無くても常時実行できますが、Impulse は 1 回限りです。 |
| サーバーをハッキングする恐れはある? | コマンドはゲーム内ルールを外してしまうので、他人のサーバーで無断使用はマナー違反です。 |
| Minecraft のアップデートでコマンドが変わったら? | 基本構文は維持されますが、新機能が追加された場合はリファレンスに記載されています。 |
| コマンドを保存してスクリプトとして読み込む方法は? | /function を使い、.mcfunction ファイルを /data/<namespace>/functions/<name>.mcfunction に置くと呼び出せます。 |
9. まとめ
- コマンドはゲームを変えるパワー:ちょっとした入力でワールドを自在に操作。
-
初心者はまず
/give,/tp,/setblockを習得し、シンプルに遊びを広げる。 -
コマンドブロックと**
execute**を組み合わせれば、複雑な仕掛けや自動化も可能。 - 無料リソース(Wiki, GitHub, YouTube)を活用すれば、学習コストを抑えつつプロ仕様の構築ができる。
- ゲーム内での実験とテストを繰り返し、スクリプトを微調整して安定性を確保。
今こそ、ミニチュアの世界を拡張し、オリジナルのエンターテイメントを手軽に創造してみましょう。
ゲームの「限界」とは、人が想像できる範囲にすぎません。