最近、リモートワークやオンライン業務が増加し、VPN(仮想プライベートネットワーク)の利用が一般的になっています。VPNを使うことで、インターネット上の通信を暗号化し、安全に情報をやり取りすることができます。しかし、Windows 11でVPNを接続しているときにインターネット接続が失われるという問題が発生する場合があります。これは比較的一般的な問題であり、いくつかの原因が考えられます。この記事では、こうした問題を解決するためのトラブルシューティングガイドを提供します。
目次
インターネット接続が失われる主な原因
まず、VPN接続時にインターネットが使えなくなる原因はいくつか考えられます。以下にその主な理由を挙げます。
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非推奨のVPNプロトコルの使用:
一部のVPNプロトコルは最新のWindowsバージョンとの互換性が不十分です。PPTPのような古いプロトコルは、特にセキュリティ上の理由から推奨されていません。Windows 11に対応したプロトコル(例えば、IKEv2やOpenVPN)を使用しましょう。 -
デフォルトゲートウェイ設定の問題:
デフォルトでVPNは、全てのインターネットトラフィックをVPN経由でルーティングします。これにより速度の低下や接続の問題が発生することがあります。 -
DNS設定の不具合:
VPN接続時にプロバイダーのDNSサーバーではなく、VPN提供のDNSサーバーを使用することが多いです。これが原因でインターネットアクセスが阻害されることがあります。
トラブルシューティング手順
手順1: VPNプロトコルの確認と変更
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VPN設定の確認:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」の順にクリックします。
- 接続しているVPNの「プロパティ」を選択し、使用しているプロトコルを確認します。
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推奨プロトコルへの変更:
- 必要に応じて、IKEv2やOpenVPNなどの推奨プロトコルを使用するようにVPN設定を変更します。
手順2: デフォルトゲートウェイの修正
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VPN接続のプロパティを開く:
- ネットワークアイコンを右クリックし、「ネットワークとインターネット設定を開く」を選択後、「VPN」をクリックします。
- 接続しているVPNを選択し、「アダプタオプションを変更」をクリックします。
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IP設定の調整:
- VPN接続の「プロパティ」に進み、「インターネットプロトコルバージョン4 (TCP/IPv4)」をダブルクリックします。
- 「詳細設定」で「リモートネットワークでデフォルトゲートウェイを使用する」のチェックを外します。
手順3: DNS設定の確認と変更
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DNSサーバーの手動設定:
- 同じくTCP/IPv4のプロパティ内で、「次のDNSサーバーアドレスを使う」を選択します。
- Google DNS (8.8.8.8, 8.8.4.4) などのパブリックDNSを使用して接続性を確認します。
手順4: ファイアウォールとアンチウイルスの確認
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セキュリティソフトウェアの影響を確認:
- インストールされているファイアウォールやアンチウイルスソフトウェアがVPN接続をブロックしている場合があります。必要に応じてソフトウェアを一時的に無効化し、接続性が改善するかを確認します。
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ファイアウォールの例外設定:
- ファイアウォールの設定で特定のVPN関連のアプリケーションやサービスを例外リストに加え、許可するように設定します。
手順5: Windows Updateの確認
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最新のアップデートを適用:
- Windows 11の最新アップデートが適用されていない場合、互換性や接続安定性に問題が生じる可能性があります。
- 「設定」→「Windows Update」から、システムを最新の状態に更新します。
手順6: VPNソフトウェアの検討
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異なるVPNクライアントの使用:
- 現在使用中のVPNソフトウェアに問題があることも考慮し、異なるプロバイダのVPNクライアントを試してください。これにより特定ソフトウェアの問題が切り分けられることがあります。
手順7: ITプロフェッショナルへの相談
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専門家への相談:
- すべての手順を試したにもかかわらず問題が解決しない場合は、ネットワーク管理者やITの専門家に相談することをお勧めします。特に業務用ネットワークでは影響が大きいため、事態を迅速に改善するための具体的なアドバイスが得られます。
このように、Windows 11でVPN接続時にインターネット接続が確保できない問題を解決するためのトラブルシューティングは、いくつかのステップを丁寧に確認することで十分に対応可能です。問題の原因は多様なため、適切に対応することで、安全かつ快適なオンライン作業環境を実現しましょう。
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