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SynologyでOpenVPNを使って安全なリモートアクセスを設定する方法

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Synology NASを利用しているユーザーにとって、リモートアクセスは非常に便利な機能です。しかし、リモートネットワークアクセスはセキュリティのリスクを伴うため、安全性を確保することが重要です。そこで、この記事ではOpenVPNを使用してSynology NASに安全にリモートアクセスする方法について詳しく解説します。

OpenVPNとは?

OpenVPNは、多くのユーザーに利用されているオープンソースのVPNプロトコルです。その利点としては、高いセキュリティ、広範なプラットフォームサポート、設定の柔軟性、コストパフォーマンスの高さが挙げられます。VPNを使用することで、インターネット経由で送受信されるデータが暗号化され、第三者に覗かれることなく安全にリモート接続が可能になります。

Synology NASでのOpenVPNのセットアップ手順

それでは、Synology NASでOpenVPNを設定するためのステップを一つ一つ見ていきましょう。

1. パッケージセンターでVPN Serverのインストール

まず初めに、Synologyのパッケージセンターから「VPN Server」をインストールします。このパッケージは、Synology NASをVPNサーバーに変えるために必要です。

  1. Synologyのメインメニューから「パッケージセンター」を開きます。
  2. 検索バーに「VPN Server」と入力し、検索します。
  3. 検出された「VPN Server」パッケージを選んで「インストール」をクリックします。

2. VPN Serverの設定

インストールが完了したら、VPN Serverの設定を行います。

  1. インストール後、メインメニューから「VPN Server」を開きます。
  2. 左側のメニューから「OpenVPN」を選択し、有効化チェックボックスにチェックを入れて「適用」をクリックします。
  3. 動的IPアドレス範囲、ポート、暗号化プロトコル(AES-256なら最も安全です)、認証方式などの詳細設定を行います。
  4. 「認証」との設定では、必要に応じて証明書をアップロードすることもできます。これはより高いセキュリティを提供します。
  5. 設定が完了したら、[エクスポート設定ファイル]をクリックして、設定ファイル(.ovpn)をエクスポートします。

3. ルーターでのポートフォワーディング設定

OpenVPN通信を中継するために、ルーターの設定も調整する必要があります。

  1. ルーターの管理画面にアクセスします。通常、ブラウザからルーターのIPアドレスを入力するとアクセスできます。
  2. ポートフォワーディング設定を開きます。
  3. 前の手順で設定したポート番号を使用して、ルーターからNASに通信を中継するように設定します。プロトコルは「UDP」を選択します。
  4. 設定を保存し、ルーターを再起動することをお勧めします。

4. クライアントへのOpenVPNの設定

VPN接続を行うデバイスにもOpenVPNのクライアント設定が必要です。以下はWindowsを例にした設定方法です。

  1. OpenVPNの公式サイトからクライアントソフトウェアをダウンロードし、インストールします。
  2. Synologyからエクスポートした.ovpnファイルをクライアントのconfigフォルダー(通常はC:\Program Files\OpenVPN\config)に移動します。
  3. OpenVPNクライアントを管理者権限で起動し、タスクバーのアイコンから接続を試みます。
  4. 初回接続時にはNASのアカウント情報を入力し、接続が確立されることを確認します。

セキュリティを強化するための追加のヒント

OpenVPNプロトコルを使用してリモートアクセスを安全に行う際、さらなるセキュリティ強化を検討することは有益です。

  • 強力なパスワードの使用:VPN接続のためのアカウントパスワードを強力かつ固有にすることが重要です。
  • 定期的な証明書の更新:証明書を使用している場合、定期的に更新してセキュリティレベルを維持します。
  • 二段階認証の導入:可能であれば、VPN接続にも二段階認証を導入することで、さらにセキュリティを高めることができます。

トラブルシューティング

VPN接続の設定において、以下のような問題が発生することがあります。その際の対処法を紹介します。

  • 接続が確立されない:ルーターでのポートフォワーディング設定を再度確認してください。また、ファイアウォール設定を見直し、VPN通信をブロックしていないか確認します。
  • 通信速度が遅い:サーバーの負荷や回線の状態を確認します。また、暗号化プロトコルの切替が効果的なこともあります。
  • 接続が頻繁に切れる:ネットワーク設定や、使用しているネットワーク環境(例えばWi-Fiの信号強度)が不安定である可能性があります。

まとめ

Synology NASにOpenVPNを設定することで、安全かつ便利なリモートアクセス環境を構築することができます。初めての設定は少々手間がかかるかもしれませんが、一度設定してしまえば、どこからでもセキュアにNASにアクセスができるようになります。上記の手順とヒントを参考に、自分の使用環境に合わせた最適なVPN接続を実現しましょう。

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