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SoftEther VPNをポート開放せずに利用する方法とそのメリット

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SoftEther VPNは、オープンソースで無料利用できる強力なVPNソフトウェアです。その中で、ポート開放せずにVPNを利用できる機能があり、これは特にネットワーク管理やセキュリティを重視するユーザーにとって非常に有用です。では、どうやってこのポート開放を省いて利用できるのか、そしてそれがユーザーにどんなメリットをもたらすのかを詳しく見ていきましょう。

SoftEther VPNとは?

SoftEther VPNは、日本の筑波大学で開発されたVPNソフトウェアであり、多様なプロトコルをサポートしており、柔軟な運用が可能です。このソフトウェアは、ネットワークのセキュリティを強化し、リモートワーク環境の構築を支援します。通常、VPNを利用するためには、特定のポートを開放して通信を許可する必要がありますが、SoftEther VPNにはこのプロセスを迂回する方法が組み込まれています。

ポート開放が不要な仕組み

SoftEther VPNには「VPN Azure」というクラウド中継サービスがあります。これを利用することで、サーバーがグローバルIPアドレスを持たない場合や、NATに埋もれている場合でも、ポート開放をせずにVPN接続を確立できます。VPN Azureは、SoftEther VPNクライアントとサーバーの間を中継する役割を果たし、通常のWeb通信(HTTPS)と同様のポートを使用します。これにより、多くのネットワーク環境で柔軟に利用が可能となっています。

VPN Azureの設定方法

  1. VPNサーバーマネージャのインストール: 最初に、SoftEther VPNサーバーマネージャをサーバーにインストールします。
  2. 新規の仮想ハブの設定: サーバーマネージャで新規の仮想ハブを作成し、ユーザー認証の設定を行います。
  3. VPN Azureの有効化: VPN Azureの設定にアクセスし、適切に有効化します。ここで、中継のためのドメインが割り当てられます。
  4. クライアント設定: ソフトウェアクライアントをセットアップし、VPN Azure経由でサーバーに接続します。割り当てられたドメインを使って接続するよう設定します。

この仕組みにより、フィルタリングが厳しい環境や動的なIPアドレスでの接続も可能になります。

ポート開放なしで利用するメリット

1. 安全性の向上

ポートを開放するということは、外部からのアクセスを許可するということです。通常、ポートが開放されているとインターネット上で常に攻撃対象にもなり得ます。ポートを開放せずにVPNを利用できるため、このようなリスクが軽減されます。

2. ネットワーク管理の容易さ

ポート開放の設定は、特に複雑なルーター設定を伴う場合、初心者や非技術者にとって大変です。SoftEther VPNとVPN Azureを利用すると、これらの問題をほぼ無視できます。操作画面で簡単に設定できますし、一般的なWebブラウザやHTTPS通信と同様のポートを使うことで、ネットワーク制限に引っかかることなく通信が可能です。

3. 場所に依存しないアクセス

これまでVPNを利用するためには、特定のIPアドレスやポートにアクセスを設定する必要がありました。VPN Azureを利用することで、どこからでも同じ方法でサーバーにアクセス可能になります。これにより、出張先やリモートオフィスからも柔軟に接続できます。

総合的な考慮事項

SoftEther VPNをポート開放せずに利用することは、セキュリティと利便性を同時に向上させる画期的な方法です。しかし、その一方で、VPN Azureに接続する際の中継サーバーがボトルネックになる場合があります。また、ここの通信はSoftEtherのセキュリティポリシーに依存することになります。そのため、最もセキュアなソリューションを求める場合は、利用する環境やネットワークポリシーを考慮した慎重な設定が求められます。

これらの特長と注意点を把握した上で、SoftEther VPNとVPN Azureの利点を最大限に活用し、安全で効率的なVPN環境を構築してみてください。

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