編み物は一度編み上げたら完成というわけではなく、プロジェクトを美しく仕上げるための最終プロセスが必要です。その中でも、「水通し」と呼ばれる作業は、毛糸本来の柔らかさや形を引き出し、作品をより洗練されたものにするために欠かせません。今回は、編み物作品に最適な水通しの基本とコツについて詳しく紹介します。
目次
水通しとは何か?
水通しは、編み物の仕上げ作業の一環で、編み上がった作品を水に浸すプロセスを指します。このプロセスによって、編み地の目が整い、サイズが整えられるだけでなく、編み物に使用した糸の油分や汚れを取り除く効果もあります。仕上がりが全く異なるため、このステップを無視することができません。
なぜ水通しが重要なのか?
水通しを行うことで、以下のような効果が得られます:
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毛糸のふんわり感を引き出す:多くの毛糸は未使用の状態では製造過程の化学物質や保護油脂が残っているため、編み上げてしばらくは本来の柔らかさが発揮されません。水通しをすることでこれらが洗い流され、糸がふんわりとなります。
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目を均一に整える:編み目はどんなに注意深く作業しても多少の不揃いは避けられません。水通しを施した後に乾燥させることで、目が均等に整い、作品が綺麗に見えます。
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サイズを安定させる:水分を含むことで一時的に毛糸が膨らみますが、その後乾燥すると自然な形と形状に落ち着きます。これにより、事前に計測したサイズが保たれ、意図した通りのフィット感を得ることができます。
水通しの基本手順
では、水通しの基本的な手順を見ていきましょう。
準備
- 容器の用意:編み物が完全に浸ることができる十分な大きさの洗面器やボウルを用意します。
- 水温:基本的にはぬるま湯を使用します。水があまりにも冷たいと縮んでしまう可能性があるため注意が必要です。
- 洗剤:柔軟剤やウール用の洗濯洗剤を少量使用すると効果的です。
手順
- 洗面器にぬるま湯を張り、必要に応じて洗剤を入れます。
- 編み物を優しく水に沈め、完全に浸るように軽く押します。この時、捻じったり揉んだりしないように注意しましょう。
- 水の中で編み物を軽く押したり揺らしたりして、残留している化学物質を除去します。
- 15から30分間放置します。この間放置することで、糸が水を吸って十分に膨張します。
- そっと編み物を取り出し、固く絞らないように水を切ります。必要があれば、大きいタオルで包み込んで静かに押し、水分を吸い取ります。
水通し後の乾燥と形整え
水通しが終わったら、編み物を一度広げ形を整えます。この段階で適切な形に整えることが重要です。
- フラットな場所で乾燥させる:繊維が引っ張られたりしないようにフラットに乾燥させます。風通しが良く、直射日光を避けた場所が最適です。
- 形を整える:作品がパターン通りに整うように、端や角を軽く引っ張りながら整えます。ボードやタオルなどの上に広げて、ピンなどで固定しても良いでしょう。
- 乾燥:完全に乾くまで放置します。この段階で再度成形しても構いませんが、最初の乾燥過程が重要です。
水通しのコツ
- 糸の種類を理解する:ウール、コットン、アクリルなど、素材に応じた水温と手入れの方法を知っておくと、更に仕上がりが良くなります。
- 最初に試作を行う:特に初めて使う毛糸やデリケートな編み物の場合は、小さなサンプルを編んで水通しのテストをしてみましょう。
- 柔軟剤の使用に注意:柔軟剤の多用は返って繊維を劣化させることがあるため、使用は控えめに。
水通しは最初は少し手間に感じられるかもしれませんが、習慣にすることで編み物作品が更にグレードアップします。適切な方法で水通しを行うことで、どんな作品もプロフェッショナルな仕上がりになりますので、是非取り入れてみてください。
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