編み物を始めたばかりの方にとって、作品をどう仕上げるかは一つのハードルかもしれません。編み物の始め方については多くのガイドがある中で、終わり方についてはあまり焦点をあてられていないことも。しかし、終わらせ方次第で作品の見た目や耐久性が大きく変わってきます。この記事では、初心者の方でも理解しやすいように、編み物の基本的な終わり方と仕上げのポイントを詳しく説明します。
目次
編み物の終わり方の基本
まずは基本の終わり方、いわゆる「伏せ止め」について説明します。これは、編み終えた編み地の目を一つずつほどけないように処理していくものです。
-
伏せ止めの方法
- 右手に針に2目を編み棒にかけます。
- 編んだ2つ目の目を手前の目にかぶせて、手前の目を編み針から落とします。
- 新たに1目を編んで、再び2つ目の目を手前の目にかぶせます。
- 以上の手順を、編み終わりの最後の1目になるまで繰り返します。
この方法で編み地はほどけることなく、きれいに処理されます。
伏せ止めの種類
一口に伏せ止めといっても、その方法はいくつかあります。ここでは、代表的な3つの方法を挙げます。
-
通常の伏せ止め
- これはもっともよく使われる伏せ止めの一種です。伸縮性が少なく、しっかりとした終わり方ですので、セーターの裾や袖口など、しっかりと編地を保持しておきたい部分に適しています。
-
片編み伏せ止め
- 表目、裏目など特定の編み目に対して行う伏せ止めです。リブ編みの終わりなどに使用されることがあり、編地に自然な仕上がりをもたらします。
-
伸縮性のある伏せ止め
- 靴下や帽子の終わり、または伸縮性の高い材料を使った作品での締めに使われる伏せ止め法です。この方法は、着用時の伸びに柔軟に対応するため、使い心地を損ないません。
仕上げのポイント
編み物の終わり方をきちんとした後は、作品全体の最終仕上げに進みます。ちょっとした工夫で、プロのような仕上がりに近づけることができます。
綿埃や糸くずを取り除く
編み物の途中や終わりには、綿埃や糸くずが付きやすいものです。特に白や明るい色の編地の場合、意外と目立ちます。微細な毛やゴミを取り除くために、リントローラーや粘着テープを使うとよいでしょう。また、手洗いを行うと、細かな毛がとれてきれいに仕上がります。
洗濯と整形
完成した作品は、最初の洗濯で形を整えることが重要です。ウールやアルパカなどの天然素材の毛糸を使った編み物は、優しく手洗いをして、自然乾燥させることをお勧めします。平らな場所で乾かす際、編地を軽く引っ張ることで、仕上がりの形を整えることができます。
編地のアイロンがけ
編地をアイロンがけすることで、目がそろい、表面がきれいに見えます。ただし、アイロンがけは素材や編み方によっては注意が必要です。必ず低温から始め、直接熱を当てるのではなく、薄い布を一枚置いてスチームを当てるようにしましょう。
付け足しのステッチでプロ仕上げ
伏せ止めと仕上げを終えた後でも、本当にプロのような仕上がりを目指すなら、まだ工夫できるポイントがあります。それは「付け足しステッチ」です。
- フレンチノットステッチ: 作品のアクセントとしてよく使われる技法です。中心から放射状に糸を回すことで、小さな結び目を形成します。ブランケットや帽子の縁飾りに最適です。
- バックステッチ: 編み物の端部分を補強しつつ、装飾としても使えるステッチです。これにより、作品の結束が強まり、耐久性を増します。
別糸を使用した伏せ止め
別糸を使用して作品を仕上げる方法も一つです。特に、プルオーバーやカーディガンのように後で継ぎ足しや変更があるかもしれない作品を作る場合に有効な技法です。継ぎ足しを想定する場合、別の色の糸で一度伏せ止めし、後からその部分をほどいてから新たに編み足すことができます。
終わりに
編み物の終わり方は、見栄えに大きく影響を与える重要な工程です。初心者のうちはなかなか納得できる仕上がりにたどり着かないこともありますが、様々な技法を試し、作業を重ねることでスキルを向上させることができます。ここで紹介したテクニックを活用し、あなたの作品をより美しく完成させてください。編み物はクリエイティブな作業ですから、試行錯誤しながら、自分だけのスタイルを見つけてゆくことを楽しんでください。どんな小さな疑問や不安があっても、あなただけの編み物の旅を始める勇気を持ってください。
コメントを残す