トルコと言えば、豪華なモスクや市場、そして歴史的な遺産が詰まった国として知られていますが、その首都であるアンカラについてはあまり知られていないかもしれません。今一度、アンカラが持つ魅力と歴史について詳しく見ていきましょう。
目次
アンカラの基本情報
アンカラは、トルコの中央部に位置し、内陸気候のため、夏は乾燥して温暖で、冬は寒冷です。首都でありながら、他の都市に比べると比較的静かで、落ち着いた雰囲気を持っています。人口は約550万人で、トルコの第二の都市であるこの街は、政治と経済の中心地でもあります。
アンカラの歴史
古代からオスマン帝国期まで
アンカラの歴史は非常に古く、紀元前2世紀にはガラティア人によって「アンキラ」という名で呼ばれていました。ローマ帝国時代には「アンクラ」として重要な商業都市となり、その繁栄は枯れませんでした。ビザンティン帝国時代にもその重要性は維持され、オスマン帝国の支配下に入る14世紀には、さらなる発展を遂げました。
現代のアンカラ
20世紀初頭、トルコ独立戦争が終結し、トルコ共和国が成立すると、1923年にアンカラが正式に首都となりました。それまでの首都はイスタンブールでしたが、地理的な中心であること、多くの新しい政府機関を設置する余地があったことなどから、アンカラが選ばれました。
アンカラの主要な観光スポット
アナトリア文明博物館
アンカラに来たならば、必ず訪れるべき場所の一つがアナトリア文明博物館です。ここでは、紀元前の多くの文明、特にヒッタイト、フリギア、ウラルチュなどの遺物が展示されています。こうした展示は、トルコの豊かな歴史を一目で理解できる素晴らしい機会です。
アタテュルク廟(アンカビル)
トルコ共和国の建国者であり、初代大統領であったムスタファ・ケマル・アタテュルクを記念して建てられたアタテュルク廟も必見です。巨大な敷地内には、アタテュルクの無数の個人資料や、建国期の歴史を詳述する展示が設けられています。
クズルアイ、ウルスの地域
都市の中心には、トルコの伝統と現代性が融合したエリアが広がっています。クズルアイ広場やウルス地区では、レストランやカフェ、ショッピングが楽しめます。特にウルス地区は歴史的な建物が多く、散策するだけで歴史を感じられます。
アンカラの文化と生活
食文化
アンカラの食文化はトルコの他の地域とはまた違った特色があります。ケバブやピデなどの典型的なトルコ料理に加え、アンカラの特産品である「アンカラ・シミディ」と呼ばれるゴマがたっぷり使われたパンが人気です。観光客も地元の人々も、このシミディを朝食や軽食として愛しています。
現代のアートと音楽
アンカラはまた、トルコの現代アートや音楽の中心地とも言えます。数多くの劇場、ギャラリー、音楽ホールが立ち並び、年中様々なイベントが開催されています。特に注目すべきは、アンカラ音楽祭や国際演劇祭などの大規模なイベントです。
アンカラの交通手段
市内交通
アンカラの公共交通システムは非常に整備されており、バス、地下鉄、トラムなどが効率よく運行しています。特に地下鉄は、主要な観光スポットや商業地区を結んでいるため、非常に便利です。また、Havaşと呼ばれる空港シャトルバスも利用でき、市内の移動は非常に容易です。
長距離交通
アンカラからは、トルコの他の主要都市へのアクセスも非常に良好です。高速鉄道(YHT)を利用することで、イスタンブールやエスキシェヒル、コンヤなどへの移動が迅速かつ快適に行えます。また、エセンボーア国際空港からは国内外の多くのフライトが運航されています。
まとめ
アンカラはイスタンブールに比べると観光名所が少ないと思われがちですが、その分、歴史と現代が共存するユニークな魅力を持っています。アナトリア文明博物館やアタテュルク廟などの歴史的重要地点から、現代的なショップや飲食店が立ち並ぶ中心地まで、訪れる者を飽きさせない多彩な顔があります。そして、訪れるたびに新たな発見があるでしょう。歴史と現代が融合したこの都市を、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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