自律神経による動悸を和らげる漢方薬とは?その効果と選び方徹底解説

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はじめに

現代社会においてストレスや過労は避けられないものです。その結果、自律神経の乱れからくる動悸に悩む人も多いです。西洋医学では薬による対症療法が主流ですが、根本的な原因を改善しにくい面があります。ここで注目されるのが漢方薬です。漢方は体全体のバランスを整えることを目指すため、長期的な効果が期待できます。この記事では自律神経による動悸に対して効果的な漢方薬、その選び方について徹底解説します。

自律神経と動悸の関係

自律神経とは?

自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分かれ、体の無意識のうちに働く神経系です。交感神経は主に体を活動的にするための役割を担い、副交感神経は休息やリラックスのための役割を持ちます。この2つの神経がバランスよく働くことで、私たちの体は健康を保つことができます。

動悸が起こる仕組み

動悸は、心臓が速く強く鼓動する状態を指します。主な原因には、ストレスや過労、睡眠不足、食生活などが挙げられます。これらは自律神経のバランスを崩し、特に交感神経が一時的に優位になると心拍数が上がり、動悸が引き起こされます。

漢方薬の基本知識

漢方薬とは?

漢方薬は東洋医学に基づいてつくられた薬で、植物、動物、鉱物などを原材料としています。「証(しょう)」という体質や症状に合わせて調合されるため、一人一人に合った処方が求められます。漢方薬は体全体のバランスを整えることを重視しており、根本的な治療を目指す点が特長です。

漢方薬の効果

漢方薬の効果は即効性よりも持続性が特徴です。服用を続けることで徐々に体質を改善し、自律神経のバランスを整える助けとなります。ただし、薬の効果は個人差があるため、専門の医師に相談することが重要です。

自律神経による動悸に効果的な漢方薬

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

この漢方薬は精神安定剤ともいわれ、特にストレスや不安、動悸に効果があります。竜骨(龍骨)と牡蛎(ぼれい)が含まれており、これらが精神を安定させる作用を持っています。桂枝(けいし)や芍薬(しゃくやく)も含まれ、体力を補うためにも使われます。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

これは精神的なストレスによる症状全般に効果があり、動悸だけでなく不安や緊張、イライラなどにも効果的です。柴胡(さいこ)と竜骨、牡蛎が組み合わさり、精神と体の両方をリラックスさせる作用があります。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

この漢方薬は主にストレスからくる胃の不快感や吐き気に用いられますが、動悸にも効果があります。半夏(はんげ)と厚朴(こうぼく)が主成分で、これが胃腸機能を整え、心身のバランスを保ちます。動悸を伴う胃腸の不調に適しています。

漢方薬の選び方

証に基づく選び方

漢方薬選びの基本は「証」に基づくことです。証とはその人の体質や症状、気質などを総合的に捉えたもので、一人一人異なります。証に合った漢方薬を選ぶことで、効果が最大限に引き出されます。

医師の診察を受ける

自律神経の乱れによる動悸は複雑な原因が絡んでいる場合が多いです。そのため、自己判断で漢方薬を選ぶのではなく、専門の医師の診断を受けることが重要です。医師は「証」に基づいて最適な漢方薬を選んでくれます。

継続的な服用

効果を実感するためには、継続的な服用が大切です。即効性があるわけではないため、少なくとも1ヶ月以上は継続することが推奨されます。また、定期的な医師の診察を受けることで、効果の確認と適切な処方の調整が行えます。

まとめ

自律神経の乱れによる動悸は現代社会において多くの人が抱える悩みです。漢方薬は体全体のバランスを整えることで、根本的な解決を目指します。桂枝加竜骨牡蛎湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、半夏厚朴湯などが動悸に対する代表的な漢方薬です。しかし、漢方薬の選び方や使用方法には注意が必要です。「証」に基づいた選び方が大切であり、専門の医師に相談することが推奨されます。定期的な診察と継続的な服用で、自律神経を整え、動悸の改善を目指しましょう。

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