春先や年末年始のニュースで誰もが目にする事がある「牛乳が余ってる」と言うニュース。これは何故なのでしょうか?
農林水産省の牛乳生産量を参考にまとめてみました。
目次
学校給食が停止する春先や年末年始が余りやすい
私たちに身近な飲み物である「牛乳」。スーパーに行くと山盛りになって売られている場面を見ることができ、牛乳を買う人がとても多い事がわかると思います。
ですがこの牛乳は春先や年末年始の学校給食が停止するタイミングで余ってしまいます。
牛乳は牛が子牛を出産することで作られて、280日〜300日の間毎日搾乳されます。人間が飲めるように子牛にあげる以上の牛乳を出せるように品種改良した結果、1年近い期間毎日牛乳を出して、絞らないと病気になってしまうので「今日は絞らないでおこう」などは出来ないようになっています。
通年ですと牛乳が余るタイミングはわかっているので、乳製品の製造量を増やすことで対処していました。
ですが通年とは違う、予想外の学校給食の停止や業務用需要の低下によって牛乳が余ってしまい、牛乳が飲まれないからといって乳製品の需要は上がらないので、乳製品を作るコストを考えると牛乳のまま処分した方が損失が少ないという場合もあります。
余っているのであれば安売りすればいいと考える方もいるとは思いますが、安売りしてしまうと本来の売り上げがあった分の収益が下がってしまいます。あくまでビジネスとして牛乳を生産しているので全体の利益を守って、農家や流通網や乳牛の生活を守るためにも廃棄という選択肢が取られてしまうというのは事実です。
ここまでのポイント
- 学校給食が停止する春先や年末年始が余りやすい
- 牛乳の生産は1年単位でないと削減できない
- 予想外の学校給食の停止や業務用需要が減ると余ってしまう
- 余った分は廃棄をする選択肢も取られる
牛乳の生産量は減り続けている
農林水産省のデータによると牛乳の生産量は年々減っているようです。
以下は令和4年(2022年)までの推移です。
生産量や牛乳としての製造、乳製品の製造の数値だけを抜き出したグラフはこちらです
牛乳の生産は年々減っていますが、乳製品の数はわずかながら増えてきています。
日本は少子高齢化の波の真っ只中にいるため人口は減り続けています。ですが食生活の多様化によってチーズや生クリームの消費は増えているため、生産量も増えています。
乳製品の需要は年々上がっていますが、社会情勢の影響で余ってしまう牛乳をカバーできるほどでは無いようです。
余ってるのはどうにかならないの?
人口が減り続けている中、内需で消費しようというのは限度があります。
牛乳から乳製品に変えることで消費期限を伸ばして輸出を行う流れもあるようですが、輸出するほどの量が確保できなかったりと色々問題もあるようです。
余らせないためには保存性が高い商品に作り替える努力が求められます。たとえば日本の牛乳では2週間が賞味期限のものが通常ですが、常温で6ヶ月保つ牛乳もアメリカでは一般的に販売されています。
未開封で常温で3〜6ヶ月保存できるロングライフミルク
「ロングライフミルク」とは賞味期限を3〜6ヶ月まで伸ばすことに成功した新タイプのミルクで、新しいといっても今や海外では当たり前。すべての国とは言い切れないけど、先進国で売られているミルクの大半はもうロングライフミルクに置き換えられているそうです。
https://www.crocry.com/milk-egg-longlife
殺菌方法が変わることから、風味の変化や賞味期限が長すぎるものは嫌厭された結果、今の形に落ち着いているそうなので、ここの変化も必要になるのかもしれません。
ともかく、牛乳の加工方法や乳製品にすることで保存性を上げた商品開発が重要になってきます。
参考
https://www.jaffic.go.jp/whats_kikin/kouhou/kikin_now_2023_01.files/kikin_now_2023_01_17.pdf
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20230329hitokoto.html
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