渦巻きに心ひかれる あんこ和菓子の世界

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渦巻き模様のお菓子、なんだか心ひかれませんか。断面がなんだか洋菓子のロールケーキを連想させますよね。見た目も美しくて美味しそうです。生地に和菓子の代表格である“あん”がロールされてます。この生地とあんのハーモニーを心ゆくまで味わえるのが、渦巻きの和菓子ではないでしょうか。和菓子愛好家の私が、渦巻き和菓子界を代表する2品をご紹介いたします。

四国の『一六タルト』

一六本舗が製造する和菓子です。卵、砂糖、小麦粉だけで作ったカステラ生地を焼き上げ、愛媛県産のゆず入のきめ細かなこしあんをロールしています。

ロールケーキに見える「一六タルト」。考えると不思議なネーミングです。フランス菓子の「タルト」とはまた別物。

名前の起源はポルトガル語のケーキを意味する「トルタ(torta)」から来ているようです。もともとは江戸時代、長崎にいるポルトガル人の作ったジャムロールケーキが起源となり、日本人向けにあずきのあんをロールしたものに変化したのではないかと。

見た目は洋菓子風ですが食べるとしっかり和菓子。ゆずでこしあんの甘さをひきしめるなんて絶妙ですよね。

参考:

https://www.itm-gr.co.jp/ichiroku/guide/process.html

https://macaro-ni.jp/32775

京都の『京観世』

江戸時代創業の「鶴屋吉信」を代表するお菓子です。

名前の由来は能楽の観世家ゆかりの「観世井(かんぜい)」とよばれた井戸からきているとのこと。井戸の水面の美しい水紋を表現したものです。

「村雨」と呼ばれる、固めに炊き上げたあんに米粉、もち粉を混ぜてそぼろ状にしたものをベースにして大納言の粒あんをのせてくるりと巻きます。上品な甘さとホロホロした食感が魅力のお菓子です。春夏はオレンジ、秋冬は栗と味のバリエーション版も出ています。

参考:

京観世ホームページと公式オンラインショップより

https://www.tsuruyayoshinobu.jp/product/dp/kyo-kanze

https://www.tsuruyayoshinobu.jp/yokimono/article/266

https://anan.happy-and-luckycookie.com/ankolove-10/

渦巻きのあんこ和菓子のまとめ

どこか洋菓子を連想させる渦巻きの和菓子たち。『一六のタルト』は起源が洋菓子の和風アレンジ、『京観世』は正統派の京菓子。どちらもお土産などで頂いた経験が皆様もあるかもしれません。その起源に思いをはせると、さらに味わい深いものになるのではないでしょうか。

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