七輪の使い方を調べている方に向けて、基本的な使い方や七輪ならではの特徴をまとめてバーベキューコンロとの違いから使いこなし方を書いていきます。
一人キャンプの流行のおかげで昔ながらの七輪を使ってみようと考える方が増えて来ているようです。ホームセンターに行けば「木炭コンロ」という名前で安価な野外調理用のコンロが売っており、使い方を調べて何ができるのかを知りたい方が居るようです。
私もその中の一人でリモートワークが流行したおかげで東京から長野の片田舎に引っ越しをして広い庭と隣のお宅から距離が離れている家に住んでいるので、気軽にバーベキューやアウトドアを楽しんでいます。
そんな私が試行錯誤して経験した七輪の使い方をまとめていこうと思います。
この記事を読んでわかる事
- 七輪の特徴が解る
- 七輪だけで炭熾し(おこし、炭に火が入っている状態)をする方法
- 七輪の後始末
- 七輪ならではの使いこなし方法
目次
七輪の特徴
最初に七輪をWikipediaで調べると以下の内容が出て来ます。
七輪(しちりん、七厘)は炭火をおこしたり、煮炊きをしたりするための簡便な土製のこんろ。土製の小型こんろで、ふつう木炭が燃料。江戸時代から一般的に用いられてきた。軽量かつコンパクトで移動が容易。
https://ja.wikipedia.org/wiki/七輪
私なりに着目した点としては
- 炭火をおこす
- 煮炊きをする
という点です。
特徴: 炭火をおこす
一般的なバーベキューコンロは炭を熾した状態の物を並べたり、着火剤で炭に火を入れる事をしますが、最初は難しいためテクニックが必要になります。
それに比べて七輪は「炭火を熾す」用途で作られているのでバーベキューコンロに比べると炭熾ししやすい物になっています。(それでも最初は難しかったですが…)
使っていて気づいたのですが、バーベキューコンロと比べると形状や材質が関係しているのかと思います。
「スチール」や「ステンレス」を使っているバーベキューコンロとは違い、土製のこんろで熱が逃げにくい材質なので黒炭に着火する温度である350℃程度に温度を上げやすいようになっています。
サイズもバーベキューコンロと比べると小さいので、少しだけ炭火が熾ている状態でも炭を追加することで簡単に燃え移ります。
まとめると
- バーベキューコンロに比べると材質やサイズの違いで炭火を熾しやすい
特徴: 煮炊きをする
キャンプなどで七輪を使うことを考えている人には残念な情報かもしれませんが、七輪は主に「煮炊き」をする用途に特化しているので「焼き」には不向きです。
一般的な七輪が丸型なのも鍋を置きやすい形状にするためで、短時間使用する「焼き」に比べると火力も上がりにくく、長時間使用する「煮炊き」に特化しています。
しかし、これは丸型の話で、焼きに特化した角型も発売されています。
ですが焼きに特化させるために熱が上部に逃げやすい構造にしているため、前述の炭熾しがし辛くなっているのかなと考えます。
炭火で炙ったお肉はとても美味しいので私も大好きなのですが、長時間煮込んだモツ煮や煮物も大好きです。
七輪を使うのであれば長時間加熱する用途である「煮炊き」での用途が合っているのかなと私は考えています。
(特徴がある、というだけなので私は少人数でのバーベキューや焼き鳥でも使っています。)
まとめると
- 短時間の「焼き」よりも長時間の「煮炊き」に活用しやすい
炭熾し
七輪を使った炭熾しの方法を紹介します。
炭熾しに関しては流派が様々なのであまり深く取り上げませんが、バーベキューコンロとの違いとして下部に吸気口があるので、七輪の上から空気を送ると下から灰が出ていくので新聞紙など灰が出る着火方法も選択肢に上がって来ます(灰の量によっては上から空気を入れても下と上に灰が舞ってしまうので限度はあります)
コツとしては「火炎よりも温度を上げる」ことに注力しています。火炎であれば温度が上がるのでイコールではあるのですが、火炎を作るために風を送り過ぎると温度が分散するので風は最後に確認するぐらいしか送らないです。
あとは吸気口を全開にするのと、七輪の足は熱くなりやすいので置き場所は燃えない場所におきましょう。
私はいつもは
- 新聞紙
- 通販で届いた荷物の紙の緩衝材
- 牛乳パック
を使って火口にしています。
新聞紙の場合ですと燃えやす過ぎるので固く絞って丸くして設置、上に炭を置いて真ん中に火を付けた紙を入れるかチャッカマンで火を付けます。
これで大抵は炭熾しができます。(炭の大きさはもっと小さい方が点きやすいです)
炭の種類やサイズで点きやすさが違います。
- 小さいサイズ
- 大きいサイズ
の順で点きやすく、
- バーベキュー用の炭(マングローブ炭)(黒炭)
- オガ炭
- 豆炭
の順で点きやすいです。
バーベキュー用の炭で小さいサイズの物であれば簡単に点きます。ですがすぐに燃えやすいので最初だけバーベキュー炭を熾して、あとはオガ炭や豆炭をいれておけば勝手に燃え移るので簡単です。(豆炭は完全に熾すまで匂いが出てくるので使い所に注意してください。灰が多く出ますが持続力は高いです)
炭の状態で、バーベキューコンロだとすぐ断ち消えてしまう小さく点いている火でも七輪であれば案外燃え移ってくれたりします。私の経験として七輪で慣れた炭熾しの状態でバーベキューコンロを扱うと炭火が断ち消えてしまう事が何度かありました。
炭熾しが出来てしまえばヤカンや鍋を置いたりして調理を開始することができます。火力が強ければ吸気口を狭めれば調整できます。
七輪の使い方
七輪の使い方について私の経験を書いていきます。
七輪は主に炭火で使っていきます。木の枝を使って焚き火台代わりに使うこともできますが、焚き火に使うにはサイズが小さいので不向きです。
小さいですが熱効率が良いので少ない炭で使えて経済的な面もあります。
たまに網を乗せて焼肉や焼き鳥をする事もありますが、焼き面が小さいので1~2人での焼肉でしか使えず、焼き鳥は3本乗せるのが限度です。
「焼き」以外での特徴の項目で触れた「煮炊き」に特化して使います。
そもそも炭は煙が出ない火力として活用されてきました。煙は可燃性のガスでそれを取り除いたものが炭です。炭火だけでは煙は本来出ないのですが、炭の質だったり炭火に肉汁などが垂れると煙が発生します。
これを念頭に置いて煙を出さない活用方法として「ダッチオーブン」を使います。
七輪の重さがあるので割と安定しています。
最初はサイズ的に空気の通り道が塞がれてしまうかもと思いましたが、案外隙間が空いているので吸気口を全て閉じても炭火が消える事なく使えます。
ですが置いている突起部分がすり減って来ているので将来的には若干不安です。百均で買った文鎮2つ(周りについていたプラスチック樹脂は焼き溶かして外しました)を使って空気の通り道を確保しています。
ダッチオーブンは洗剤を使わない、水分は加熱して飛ばす、毎回シーズニングをする、鍋底に手をかざして我慢できる熱さで100度、上部で我慢できるなら200度ぐらいの知識で運用しています。
これだけを知っておけば七輪とダッチオーブンを使ってりんごケーキを焼いたり、オニオンスープが作れます
「焼き」で七輪を使うのも良いですが、オーブン料理なども出来るダッチオーブンを使うと料理の幅が広がって大変楽しいです。
長時間煮込む必要がある牛すじ煮込みやジャム作りなど、家のキッチンで作るとガス火を見守る必要がありますが、キャンプ場や庭先でゆっくり過ごしながら炭火で煮込むのもなかなか楽しくもあります。
後片付け
七輪を使い終わった後には炭火を片付けます。
炭を火消し用の炭入れに入れるだけで完了です。
七輪は水にかけてはいけません。Amazonレビューで雨ざらしにしていたら七輪の枠だけ残って無くなってしまったというコメントを見つけた時には笑ってしまいましたが、珪藻土を使っている一般的な七輪は水で洗ってしまうと崩れて使えなくなってしまいます。
炭火から空気の遮断をするために専用の容器に入れます。無い場合には炭だけをバケツの水の中に入れて消化します。
七輪の使い方、最後に
七輪はあくまで汎用性が高い熱源です。
火熾しや煮炊きに特化した物ですが、汎用性が高いからこそ今でも売られており、ホームセンターなどで気軽に購入することができます。
使い方は人それぞれあるので「絶対にこれだけしか使えない」という物ではありません。
今回は私が庭先で使った経験をまとめてみました。こちらの記事が参考になれば幸いです。
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